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 ←4-【秋也13歳/春】 →6-【秋也14歳/冬】
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視線が追う先に

5-【秋也14歳/秋】

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十月になって誕生日を迎え、秋也は十四歳になった。


秋に生まれたから、秋也。

名前だけでいつ生まれか容易く想像できる名前だけど、自分ではそこそこ気に入っている。


比較的、夏休み前までは秋也の中学生活も平和で単調だった。

夏休みが明けたとたんに、豹変している奴が何人かいて、内心驚いた。

いわゆる見た目だけで、祖母が見れば「不良」と呼びそうな同級生が何人か。


秋也には別段何を言ってくる訳でもないが、なぜか慶時には色々とちょっかいをかけている。


「国信~」

クラブが休みの時に一緒に下校する際、慶時に誰かが声をかけてきた。


校門のところで慶時に慣れなれしく肩を組んで、強引に連れて行く。

路地の間に入り込んで、何を話しているのかわからない。

いつの間に仲が良くなったのかと不思議に思っていると、どうも様子がおかしい。


慶時の顔が引きつっているのが見えた瞬間、秋也の体が動いてた。


「っ何してんだ?」


自分でも意外なくらいの低い声。


「あー、七原くん。いやね、国信くんに、ちょっとお金借りる算段を……」

そこまで言った時に、秋也の腕が慶時の腕を掴んで強引に引き離していた。


「あ~?何すんだ?」

相手の声色が変わる。


「それ、カツアゲって奴だろっ?!」

怒りを含んだ秋也の声に、一瞬相手がビクつくのがわかる。


こいつは……。

そうだ、慶時と同じクラスの沼井。

虚勢を張っているのが、秋也に伝わる。

その時、後ろから声がした。


「沼井、金は?」

振り返ると隣のクラスの、確か……月岡だ。


「わぉ……七原くん」

両手を外人のようにひらひらさせている。


「お前ら、慶時にいつもこんなことやってんのかよっ?」

「いつもじゃないよねー。国信くん」


慶時の肩をポンポンと、沼井が叩く。


仲間が来て、態度がまた大きくなった。

……判りやすい奴。


「慶時!ハッキリ言え!!」


秋也の怒号に慶時が目を逸らす。


「よしとき!!」

「秋也……もうイイよ」


消え入りそうな声で、上目遣いに秋也を見る慶時にも腹が立つ。


「よくねーよ!!」

「も~七原くん一人で怒ってぇ。俺たち、平和主義なのに」


月岡のふざけた言い方に、ムカつきが増す。

自分だけが熱くなっているのも分かっていて、止まらない。


「ふざけんじゃねぇぞ」

自分が思うよりも、冷静な声が出る。


「え? 何て? 僕たち聞こえませ~ん」

沼井が耳に手をあておちゃらけた様子で顔を近づけてきた。


「ふざけんじゃねーっつってんだよ!!」


沼井の髪を鷲掴み、顔を間近に引き寄せて耳元で怒鳴ってやった。


耳を塞いで座り込む沼井と、目を見開いている月岡。

月岡が座り込む沼井の腕を取り、立ち上がらせて逃げるように学校の中へ入って行った。



怒りの感情が久しぶりで、秋也自身呆然と立ち去った二人の後ろ姿を見ていた。


「秋也……ごめん」


小さな声が後ろからして振り返ると、慶時が下を向いて泣きそうな顔をしてる。


「いつから?」


はっと顔を上げて、え?……という顔をする慶時。


「だから、いつから?!」

声が大きくなる。


「こえーよ、秋也」

オドオドする慶時に、更に腹が立ってくる。


「行くぞ!!帰ってから聞く」

慶時の肩を引っ張って、強引に大通りへと歩かせた。



帰り道、二人共何も話さなかった。


慶喜は終始、下を向いてしょんぼりとしている。

秋也の怒りは沼田や月岡には当然だが、今まで何も言わなかった慶時にも向けられていた。


声を出すと、きっとまた慶時にキツく当たってしまう。

一旦、家に帰って 頭を冷やしてからにしよう。



***



頭を冷やしてから……。

一時間くらいして、慶時の家へ行った。

部屋に入っても、慶時はこっちを見ようともしない。


「話せよ。いつからなんだよ?」

意識して優しい声で言った。


「……………」

唇を噛み締めて俯く慶時。


「言いたくないのか?」

「言い……たくない」

「何で?」

「……だって。格好悪いだろっ」


はき捨てるように言う慶時。


そーいうことか。

秋也は慶時の性格を知っている。

我侭だけどその癖気が優しくて、相手に強く言えない。

そして、案外プライドが高いのだ。



「ごめんな」

秋也の言葉に、慶時がやっとこっちに顔を向けた。


「何で……秋也が謝んだよ」

「気付いてやれなくて」


部活で顧問から執拗に大会に出るように言われてから 練習でずっと遅い。

二学期以降、慶時とは自然と下校時間がすれ違っていた。

自分と一緒に帰っていた時には、こんなことは無かった。


逆算しても、ここ一ヶ月程度のことだ。

でも、その一ヶ月の間とはいえ、慶時の気持ちを思うと胸が痛かった。


「質問させてくれよ。それに答えるだけでいいから」

俯いたまま、こちらを見ようともしない慶時。



「ここ一ヶ月くらいの間か?」


逡巡した様子の後、コクンと慶時が頷いた。


「何回くらい?」

慶時が、指を三本立てた。


「沼田と月岡だけか?」

「いつもお金だけか?」

「暴力は無かったのか?」


ゆっくりと言葉を択びながら質問をする秋也に、慶時はコクンと頷き続けた。


いくつかの質問をした後で、秋也はホッと息をついた。

まだ深いところまで行ってないようで、ちょっと安心したからだ。

とは言ってもこういうのは、どんどんエスカレートしていくことくらいはわかる。


一度お金を渡せば、次もあてにされる。


きっと慶時だけでは無いだろう。

どこの学校にだって、どこの社会にだって人間が集まればあることだとは思う。

その全部を排除など出来るはずもない。


だけど、自分の目の前でしょげている大事な親友だけでも守りたい。


秋也の父親が、幼い秋也に教えてくれた。


自分の身は自分で守れ。でないと、人を助けるなんて出来ない。


いつか助けてやりたいと思う人が出来る。だから強くなれ。

父は、いつもそう言ってた。

子供ながらに何となく理解はしていたつもりだったけど、今はわかる。


小さな頃から女の子によく間違えられた秋也を案じてか、家の裏手で色々教えてくれた。


武骨で見るからに男らしい外見を持つ父が、自分に似なかった息子を案じて。

まだ小学生だった秋也には難しいことも、父は色々話して聞かせてくれた。

今思うとまるで遺言のようだが、秋也の耳にはちゃんと父の言葉が残っている。


「慶時、自分の身は自分で守れ」


父親に言われたことをそのまま慶時に言えば、慶時がはッと顔を上げて泣きそうな顔をした。


「だって……俺、秋也みたいに強くねーもんっ」

駄々っ子のように拗ねた口調で言う慶時。


「じゃ、俺が部活終わるまで毎日待ってんのか? ずっと俺の後ろにくっついて学校行くのか? 俺のいない時はどーすんだよ?」


「おっ……俺だって、そんな格好悪いことしたくねぇよ!!」

「じゃ、強くなるしかねーだろっ」


立ち上がって抗議するような勢いだった慶時が、学習机の椅子に座り込んだ。


「強く……なれんのかな」

「何も、急に強くなれってことじゃない。自分で身を守るだけでもいい」

「そっか」


急に明るい顔をする慶時がおかしくて、プッと噴出した。


「沼井達は又来る」


うん……と力なく頷く慶時。


「もう、調子に乗らせるな」


又慶時が、唇を噛み締めて頷く。


「けど、どうやって……」

「俺が親父から教えてもらった必勝法があるから、それを教えてやるよ」


出来るかな……と、不安気に目を伏せる。


「攻撃をかわすだけだ。後は、逃げろ」

「え? 逃げるの?」


素っ頓狂な声を上げる。


「とにかく、かわせ。引くんじゃなくて、前に出る。そうしたら、相手は驚くから」

「……うん」

「驚いた隙に、逃げる。全速力で走る。それが出来たら、又次に進む」


「そっか……」

「数学の公式より簡単だろ?」


わざと軽く言うと、慶時は今度は強く頷いた。


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~ Comment ~

NoTitle

5-【秋也14歳/秋】まで読ませていただきました。
とても読み易く、イッキにここまで読んでしまいました。
この後の展開が楽しみですv

Re: NoTitle

かみたりな様

ひゃ~ 素敵な絵師様が♪
読んでもらって嬉しいです。
これ、初に書いた小説なんで、今よりかなり拙いですが。
温かい目で見てやって下さい。
このお話…長いです。相当、長いです。
中学~30代くらいまで、続く予定です。(5部作予定)

また、お時間ある時に覗きに来て下さい。
有難う御座いました!

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

Re: すみません。余計なことですが

鍵コメT様

わー。有難う御座います。
はい、もう見つけたらドシドシ教えて下さい(厚かましい

結構、たくさん埋もれてる気が…汗
時々、こうやって凡ミスを教えて下さるので大変助かります。
3回くらい読みなおしてるんですけど、それでも見逃してるとこ一杯あるんで…涙

あぁ…私。ヘタレなモノでして。
あまり残酷な描写は苦手です。愛なんぞ~は、結構頑張ったんですけどね。
残酷さにはその背景も必要でないと書けないです…。無残に終わるのは、忍びない。
そう言いつつ、結構「鬼」とかも言われてましたけど(爆

>BLを読むのはお話として読めて、しかもエロスも感じられる 
そうですよね。私もそうなんです…。男女だと生々しい感じがして、妄想に入れないとこある。
♂同士だから、違う世界で妄想に走れるんだとも思います。
楽しいですもんね…別世界(笑

また何かあったら、その節はよろしくお願いしますm(__)m ←
有難う御座いました!
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