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視線が追う先に

3-【秋也12歳/夏休み】

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テストも終わり、夏休みに入ると一気に気が緩む。
それでも中学生にはクラブ活動があって、それなりに忙しい。

秋也は音楽部を希望したが、担任に陸上部へと強引に誘われた。
音楽部との掛け持ちでいいと言われ、何となく勢いで入部してしまったので午前中は毎日登校だ。

夏休みと言えどいつもと変わりなく祖母にたたき起こされるので、別段苦痛ではない。


足は速い。
これだけは、自分でも自慢できる。


――顔だけだなんて、言わせない。

つい、そんな言葉が脳裏を過る。

あの時の慶時の言葉を気にしている自分がいて、自分自身で少し驚く。

秋也はいつもそうだ。
あまりクヨクヨしない分、随分後になってから思い出して唇をかみ締める思いをすることがある。
深く考えるのが苦手な分、どこか感覚で生きているような気がする。

「七原、次の大会目指せよ」
担任がクラブの顧問だから、夏休みという気がしない。

週に一度くらいのペースで言われるので、面倒臭い。
本当は、ギター弾いてる方が好きなのに。
勢いで入部して、こんな時はちょっと後悔する。

まだ一年生だから基礎訓練中心だし、先輩との上下関係にだって少しは気を使ったりもする。


クラブが終わって帰ろうとグラウンドを横切って部室に入ろうとした時に、バスケ部のユニフォームを着た三村が前から歩いてきた。

校内で目があうことはあったにしろ、こんな風にお互い一人だけですぐ近くにいることは無かったから何故か気まずい。
話をしたことも無く、ただ目が合うだけという相手に変に緊張さえする。



「お前、走るフォーム綺麗だな」



三村がすれ違い様に、ポツリと言った。

……えっ……俺?


周りを見ると、やっぱり自分しかいない。

――走るフォームが綺麗だな。

その一言が、何故かやたらに嬉しくて。
本当に、凄く嬉しくて堪らなかった。

やった……。

思わず小さくガッツポーズをしてしまうくらいに、嬉しかった。

*

「シュウちゃん。なんかイイことあったろ?」

学校から戻って祖母と昼飯を食べている時に、そう聞かれた。

自分でも、なんでこんなに嬉しがってんだろ?と思う。
何度だって思い出しては、口元が綻んでくる。

そんな自分に心の中で「キモい奴」と一人で突っ込みを入れても、自然と綻んでくる。
ただ「走るフォームが綺麗」だって、言われただけなのに。

三村が褒めてくれたからかな。

冷静になってみると、今まで口を聞いたことも無い奴がほんのちょっと褒めてくれただけのことに、浮き足立つくらい喜んでいる自分がバカバカしくもなった。



昼飯を食べてから慶時の家に行くと、クラスの新井田もきていた。
慶時の家は両親ともに共働きで留守がちなせいか、人が集まりやすい。

家から持っていったギターで、覚えたばかりの曲を弾いてみる。
慶時はいつものことだから気にとめる風でもなく漫画を読んでいる。

新井田の方は傍にきて、物珍しい視線でギターを弾く秋也をジッとみている。

「へー。結構やるじゃん」
弾き終えると、新井田が目を丸くしていた。

「そっか?でも、まだ覚えたてだしな」
なんだか照れくさくて笑って誤魔化した。

「七原ってさ、ビジュアル系なんかのバンド組んだら似合いそーだよな」
新井田が漫画を読む慶時に話かけるが、軽く無視されてる。

「ちッ、無視かよっ」
新井田の膨れっ面が可笑しい。

「でもさー、ちょっとマジでイケるんじゃね?」
再び秋也の方に顔を向ける。

「んー、わかんねーよ。好きでいじってるだけだし」
元々父親の形見のようなギターをいじって興味を覚えただけで、それで何かを目指すなんて考えたこともない。

小学校の高学年あたりから、独学でいじってるだけだ。
ただギターに触ると、薄れていく父親の面影がよみがえって行く感覚があるから……、
というところが本当のとこかもしれない。

「……ってか、何で"ビジュアル系"なんだよっ」
「遅っ。そこかよ」

二人で笑い出すと慶時が顔を上げるが、又漫画に没頭し始めた。




家に帰ってベッドの中で、今日のことを思い出す。

今日は、褒められデーだ。

それも得意の走りと、好きなギターで。

でも……。
新井田には悪いけど、三村に褒めてもらった言葉は本気で嬉しかった。

たった一言の言葉が嬉しいなんて、俺も単純。

そう思いながらも又、口元が綻んでくる。

明日も三村に会えたらな……などと考えながら心地いい眠りに誘われた。


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