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とあるアパートの管理人

5.触ったのはお前だろーが

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「……俺は、ちゃんと愛してる相手と結婚するんだよ」
「今まで、そういう相手がいなかったってことか」

普段は寡黙な龍介が速攻で切り返してくる。
そして、こういう時の龍介の言葉は、的を射る。

「……ま、そーいうことだ」



「俺は……ダメだ」


少しの沈黙の後。
龍介が、目を伏せたままで小さく呟いた。

「ダメ?何がダメなんだ?」

ビールをチビチビ飲みながら聞いてみても、龍介は首を小さく振るだけ。

一体こいつは何を抱えてるのだろうかと、達也は気にかかる。
小学校から一緒に過ごしてきた幼馴染ともいうべき相手だが、高校卒業以来はそう親しくもなかった。

大学も別々で、有名大学に剣道の特待で入った龍介は卒業と共に警察官になった。

自分は理系の大学を出てからも、留学の時期を除けば地元にいた。
たまに帰郷する龍介と仲間数人で飲んだりしたことはあったが、それも年に一回あるかないかの話だ。

二人きりで話をするなんて、それこそあの日以来……。



あぁ、ダメだ。
思い出すことじゃない。


「達也」

思いにふけっていたところに、名前を呼ばれてビクリとする。

龍介と目を合わせるとあまりにも真剣な顔をしてるので、驚くと同時に何か悩み事でも打ち明けたいのだろうかと思った。

「何?悩みでもあんなら、聞くぜ?」


「お前は……忘れたのか?」


忘れた?
……何を?

訝しむ達也の顔を見ながら、腹を立てたように龍介の顔が変化する。


「俺は、忘れてない。……忘れられない」



まさか……。

まさか。



あの日のことか?


達也はどう答えればいいのかわからずに、黙ったままだ。

だって、そうだろ?
龍介の言ってる意味と、自分の思ってることの意味が違ったら……。



「何だよ。一体……」

沈黙が耐えられなくて、達也の方が口を開いた。


「忘れてんなら、いい」
「何だよっ!!気持ち悪ぃだろっ。言えよっ」


そう言ってから、もしか同じことだったら……どうしようかと思う。


「……っいいんだ、もう」

そう言いながらも、グラスを持つ手に力が入ってるのが見える。

ぅわっ……。
割れる……グラスが。
達也が思わず、グラスを握りしめる龍介の手に触れる。



「触るな!!」


龍介の過剰な反応に達也は驚き、そのすぐ後で腹がたってきた。

「てめぇ……。触るなって、どーいうことだよ??人を汚ねぇもんみてぇによ!!」


その言葉に誘導されたかのように、龍介が立ちあがり達也の服の襟を両手で掴んで持ち上げる。

「うっわっ」

体ごと引っ張られて、自然と体が立ちあがった達也も、負けじと龍介の服をつかみ睨み合う。



「……やんのか?!あァ??!!」



体格の差が大きくとも、身長差はほんの数センチ程だ。
テーブル越しの不安定な状態で真正面で睨み合うような形になり、お互いに意地になったように目も逸らさず、手も離さない。



「わっ!!喧嘩っすか??」

学生の一人、伊東の声で二人で我に返り、お互いに慌てて手を離した。


「……帰る」

ドスの効いた声で龍介がそのままキッチンを出て、玄関の扉が開き、閉る音がした。


「っくそ!!」

声を出して達也は椅子にドスっと座り込み、残ったビールにそのまま口をつけて飲む。

「……うっわ……・怖ぇぇぇ……。俺、タイミング悪ぃっすねぇ……」

伊東が小さな声でビクビクとしながら、冷蔵庫を開けようとする。

「何だよ??」
つい声が荒くなる達也に、伊東がビクッとして止まった。

「いや……あの、俺コンビニで買ったの、飯の時ここに入れて貰ってたじゃないですか?それ、忘れてて……取りに来ました」

それに答えず無言で煙草に火をつける達也に、伊東が「取っていいですか?」と、ビクビクと聞いて来る。

「勝手に取れよ。……っちくしょ」

物凄く機嫌が悪い達也には関わらない方がいいのを知ってる伊東。
無言で冷蔵庫から自分の買った物を取り出して、頭を下げて「お休みなさい!」と、逃げるようにキッチンを出て行った。

誰もいなくなったキッチンで煙草をくゆらせながら、達也は椅子の背もたれに深く凭れて天井を見上げる。




触るな――ね。



あん時――触ったのは、お前だろーが。

ふっ……と自嘲した笑いを浮かべて、達也は煙を天井に向けて吐き出す。


一体何だよ……。
いきなり怒って。
――訳がわからん。

そういや、いつも喧嘩ばっかしてた。
あいつが剣道始めて、喧嘩しちゃダメになるまでは、取っ組み合いの喧嘩なんかしょっちゅうしていた。

いつのまにか、体がデカくなっていった龍介の後姿が眩しく見えたっけ……。
細い自分が、男として見劣っているような気がして悔しかったっけ……。
どんどん強くなって行く龍介に、どこかで嫉妬していたっけ……。

それでも、自分にとっては親友だと思ってたのに。


なのに、それを――あいつがぶち壊した。

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