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とあるアパートの管理人

3.また、食わしてくれ

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「俺を待ってくれてたのか?」

龍介が、嬉しそうな顔をする。
……ったく、めったに見せない必殺の顔。

この顔に、俺は弱い。
もしかしたら、甘える女よりも弱いかもしれない。


「……っそーだよ。一人で食うの寂しいだろうと思ってな。ったく、感謝しろっ。この俺様の優しさになっ」

ブツブツ言いながら鍋に火を入れて準備を始めた達也の後姿を、龍介はジッとみつめ続けた。
カレーが温まるまでに先に手早くサラダを作り、テーブルに置く。

「おら、食え」

「……俺は、カレーが食いたい」
「お前……。まだ、生野菜食えねぇのか?」

達也が目を丸くして聞いても、龍介は黙ったままだ。

「はっ……ガキの頃のまんまかよ。おら、いいから食え。俺のお手製のドレッシングかかってんだ。美味いぞ?トマトは残していいからな」

達也に言われて、龍介はおずおずとサラダに手をつける。
サラダをもそもそと食べている龍介が、ちょっと可愛く見えて達也は口元に笑いが浮かぶ。

「……熊か、お前は。デケー図体しやがって」
「美味いな」
「だろ?……きゅうりも、まだダメなのかよ?お子ちゃまかっ」

トマトときゅうりを避けて食べている龍介にブツクサ言いながら、目の前にカレーを出してやった。

自分の分も対面に置いて座り「頂きます!」と、手を合わせた。
顔を上げて自分をジッとみる龍介。

「何だよ?」
「お前、一人の時もそれいうのか?」

龍介が不思議そうに聞いて来る。

「は?……あぁ、頂きますのこと?当たり前だろ。食べ物にはちゃんと感謝してから食うの」

それを聞いた龍介も手を合わせて小さく「頂きます……」と呟いたのが可笑しくて、声を出して笑った。

*

口にいっぱい頬張って食べる龍介を見ながら、食べ方ってのは大人になっても変わらないものなのかと思う。

「もっと味わえよっ。カレーは飲み物じゃねぇぞ」
「ウルセーな、相変わらず」

そうだ。家に飯を食いにきてた頃と、同じ会話をしてる。
達也は何だか懐かしくて、餓えた獣のようにカレーを一気に食べつくす龍介を呆気にとられながら見てた。

あっと言う間に平らげた龍介に、もう少し残してやれば良かったと思ったり。

「これも、食え」
思わず、自分の食べかけの皿を龍介に差し出すようなことを言った。
眉を上げて、きょとんとした顔に昔の面影がだぶる。

「俺は、作りながら味見で結構食ったから。腹、減ってねぇんだ」
それを聞いて、黙って素直に食べだした龍介をジッと見ていると、ほんとうに帰ってきたんだと……そう実感した。

龍介が食べ終わったのを機に、煙草に火をつける。

「まだ、やめてねぇのか」
龍介が、煙草を吸う達也に聞いて来る。

「うっせ。世の中、禁煙、禁煙ってウゼー」
「料理人のくせに」
「俺様の舌は、んなヤワじゃねーの。どうだ?美味かったろ?ん?」

達也が片方の眉を上げて聞くと「あぁ……美味かった」と、めったに見せない笑顔で答えた。

「仕事終わったのか?」
「あぁ」
「酒でも飲むか?」

何だかこのままさっさと帰られるのが惜しくて、そんなことを言った。

「いや……今日は帰るわ」
「……そっか」

その答えに、心からガッカリしてる自分に気づく。


「なぁ、達也」
玄関で靴を履きながら、龍介が話しかけてくる。

「なんだ?」
「また、食わしてくれ。何だったら、食費入れるから」

その言葉に、達也は嬉しくなる。

「いーよ。一人増えたって手間は一緒だ。前もって言ってくれりゃ、いいぜ?」

ホッとした顔をして、じゃな……と手を上げて玄関を出る龍介の後姿を見送って、達也は又煙草に火をつけた。

「あいつ……。ほんと、カレー食いにきただけかよ」
咥え煙草のまま、龍介の姿が角を曲がって見えなくなってから玄関を閉めた。

*

カレーを食いにきてから、龍介は週の半分は顔を出すようになった。
食費だと言って、学生達の三倍もの金額を持ってきて、ちょっと喧嘩になったけど。

結局毎日じゃないから月末に計算して、きっちりと割り、かかった費用だけを貰うことで話がついた。

食費は学生達から貰ってるが、材料費や光熱費など全部を月末にきちんと割り出して、実質かかった分は皆に提示している。
余った分は誰かの誕生日などで、御馳走をふるまう用に貯めてある。


決まった金額の中から美味い料理を作るやりくりさえも、楽しい作業だ。
料理をして学生達が喜んでくれる顔を見るのは、自分の自己満足……か、趣味のようなもの。

だから外せない用事がある場合や、本職で追い込みがある時は前もって言っておけば文句も無く、自分達で食べておいてくれる。

今日のメニューは、豚バラが安かったから、生姜焼き・菜っ葉と薄揚げの煮びたし・里芋のソボロあんかけだ。
龍介の好きな物ばかりを作ったことに、若干の後ろめたさはあっても、学生達は喜んで食べつくしてくれた。

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