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「●北見と佐倉☆番外編」
隣にいてくれ

隣にいてくれ 20

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翌日一緒に遅い朝食を取った後、北見が佐倉の腰をマッサージ。

「あー……気持ちいい」

佐倉がクッションに顔を埋めたまま呟く。

「お前、上手いな」
「部活で一年の時、よくやらされましたから」
「あ、そこっ」

強めに押せば、いででで……と色気のない声。

「オッサンですよ」
「お前のせい……っ」
「はい、俺のせいですね」

言葉を被せれば、蹴りが飛んでくる。

「おっと」

手で制して、尻を揉むとゲラゲラと笑ってくすぐったがる。

「セクハラすんな」
「いや、尻って揉むと気持ち良いでしょ?」

尻肉を両手でグニグニと揉んでやる。

「あー、ホントだ。気持ちいい」

クッションを両手で抱きしめてる仕草が子供みたいで、もう……ほんと可愛い。
なんて、口に出せないけど。

足の付け根から順にふくらはぎまでマッサージをして、足首をギューッと引っ張る。

「うわ……ソレ死ぬ程、気持ちいいんだけど」

さっきから気持ち良いの連発で、ついあらぬ方向へ思考が流れる。
SEXの間はあんなに声を押さえて、気持ち良さを見せないようにするくせに……と。

まぁ、隠してたってちゃんと見えてますけど。



「はい、終わり」

そう声をかけて、佐倉の背中にかぶさった。

「重……いっ」

怒る佐倉に構わず、うなじの部分にキスをする。

暴れ出したから体重をかけると大人しくなり、動かなくなった。

あれ?

「……うわっ」

と思ったら、いきなり体が横に滑り落ちて、佐倉が馬乗りになっていた。

「おらっ、どーだ」
「重い……体重かけすぎ」
「ははっ……なぁ、飯に出かけるだろ? ついでにデパート行こうな」

上に体を重ねるように寝ころび、首元に頭をつけて言う。

「あー、昨日言ってましたね。グラス」
「お前、選んでくれるんだろ?」
「いいですよ。で、今日の帰りは家に泊まりに来ませんか? またいつ一緒に過ごせるかだし」
「お前、家の用事は?」
「俺、明日午後出勤なんですよ。ずっと社畜だったんで、課長が調整取れって」
「んじゃ、行くわ」

*

北見が一旦着替えに帰り、その際に明日の佐倉のスーツも一緒に持って行った。

駅で待ち合わせの時間まで、二時間程ある。

佐倉は手早く……といっても適当に、部屋を片付ける。

北見が来ると、来る前より片付いてるんだよな。
散らばった物をただまとめてるだけなんだけど。

昨日、風太と掃除をしたからいいか……。
腰もまだダルいし。

佐倉はソファーにゴロンと横になった。


男同士で付き合うって、何をするんだと思っていたけれど。

今までの恋愛の中で、一番ベッタリしてるような気がして……佐倉はクッションを抱いて顔を埋める。

思い出すと、居たたまれない気分になってどうしようもなく恥ずかしい。

あいつ、さり気なくくっ付いてくるんだよ。
計算してるとかじゃなく、自然に。


昨日の夜だって、あんなとこまで舐めるか?


また思い出しては、クッションをギューッと抱いて足をバタつかせる。

動かずにはいられないとばかりに。


俺、男とは何度も寝てきたけど、ほんとスポーツ感覚だったんだよなぁ。
汗かいて、出すもの出してスッキリして、清々して、感傷の一つもなく。

けど、やっぱ好きな奴とするは違う。
北見が触ると、全部気持ち良い。

……あいつシツコイし。


北見との行為を思い出して、またクッションをギューッ……。


『男のあんたを、男の俺が抱くんです』


あぁぁぁぁぁぁぁ……恥ずかしい。


反芻しては、そんなことを繰り返してる内に、ハッとして時計を見ると三十分近くも経っていた。

……何やってんだ、俺。

*

北見の駅に着くと、既に扉の前で待っていて乗り込んで来た。

さっきまで一緒に居たのに、こういうのがまだちょっと照れくさい。

「今日も一緒ですね」

ニコニコと北見が嬉しそうだ。

「こっちはガクガクだってのに」
「マッサージしたから少しはマシでしょう」

小声で話ながらも、電車の中だからここらへんで止める。
北見を肘で軽く小突いて、空いてる席に並んで座った。

「飯、楽しみだな~。佐倉さんが予約してくれたし」
「兄貴のオススメの店だ。俺も行ったことない」
「何でもいい。一緒に美味いもの食べると、ストレスが軽減されるし」

だよなぁ……。
本当にここの所、北見は忙し過ぎた。

「有休も使わないとなぁ……」
「一緒に取れたら、旅行でも行けるのに」
「まぁな」

それが難しいことはお互いに分かってる。
同じ会社で、一緒に有休を取る……ってこともだけど、営業とシステムの繁忙期と閑散期は微妙にずれるからだ。

「普通の連休にでも近場で探そうか」
「あ、言いましたね?」
「言質取ったみたいに言うなよ」
「いやいや、今テンション上がったし」

そうだな……。
北見と一緒だったら、何処だっていい。

いつも会社の帰りか、部屋で飲んだりだけだし。
旅行なんか行ったら、もっと楽しいかな。

想像しただけで、俺だってテンション上がる。

男同士で旅行に行くことに多少の抵抗はあるけど、別に悪いことをしている訳じゃないんだ。
堂々としようとは思わないが、引け目を感じる必要もない。

*

駅に着いてデパートまでの道を歩いていると北見の携帯が鳴る。

「妹だ」

北見が佐倉の服を引っ張って脇に寄るから、横に並ぶ。

「はぁ? お前、いきなり言うなよ」

電話口で怒ってる北見に、兄ちゃんって感じがして新鮮だ。

「あー、もう分かったから。家に送る。但し、明日な」

ため息を吐いて電話を切る。

「どうした?」
「俺が大学時代に使ってた資料本、貸せって」
「あぁ、院に行ってる妹さんか」
「そう。同じ専攻だから」
「お前、大学ん時の資料まで持って引っ越したの?」
「それ高かったんですよ。結構使ったし、愛着あって」
「今も見る?」
「全然」

だろうな。

「妹には甘い兄ちゃんか」
「いや、そうでもない。甘い兄ちゃんは、兄貴達ですよ」

長兄が下の妹に甘く、次兄が末っ子に甘いのだとか。

「妹がバンドのギタリストの熱狂的なファンなんですけど、サイン強請られたらいそいそ貰ってきたり」
「お前はパシリだったのに?」
「そう。俺に甘いのは、すぐ上の姉貴ですね」

佐倉がくっと笑う。

「面白いな、きょうだいの相関図みたいなの聞いてると」
「面白いかなぁ」

北見のきょうだいの話を聞くのは、楽しいから好きだ。

「俺が甘いのは佐倉さん」

耳を近づけてきて、ボソッと小声で言ってきた。


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