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「●北見と佐倉☆番外編」
隣にいてくれ

隣にいてくれ 15

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「改めて。二人共、有難うございました。ホント助かりました」

義姉がアイスコーヒーを持って戻ってきてから、頭をペコリと下げた。

「いいって。で、入院した人どうだった?」
「それがね、あまり良くないの。でも、命に関ることはないみたいだから」

大人が雑談している間、風太はハンバーグにかぶりついていて、頬についたソースを佐倉が紙ナプキンで拭ってやる。

「おいしいか?」
「おいしー」
「風太の好きなポテトもあるぞ」
「んっ」

「……ほんと、甘い叔父さんね」

義姉が北見に小さく笑いながら言った。

「えぇ、妬けるくらいに」

北見が言えば、義姉が小さく目を剥く。

「まぁ……ごちそうさま」
「仕事の時は鬼ですから」
「あは、なるほど」

陸斗を見れば、ドシッとして愚図りもしない。

「何か、落ち着いてますね」
「今はね。車の中で寝たから、まだ寝ぼけてるの。でも、風太の時よりはドシッとした感じかな」
「名前の通りだ」

北見が言えば、そうそう!と義姉が笑う。

「でも陸斗は、泣き出したらもう爆弾よ? 根性入れて泣くの」
「エビ反りする?」
「するわよ」
「うわ……」

佐倉の顔をしかめた言い方に、北見が吹き出した。

「笑うなよ。落としたら、どーすんだ」
「佐倉さん、エビ反りで言いなりなんですよ」
「じゃ、いずれ陸斗もお願いするわね」

義姉にニッコリと微笑まれて、佐倉の顔が引きつった。

「……もうちょっと大きくなってから」
「俺が居ますよ」
「お前がいつも居るとは限らないだろ」

二人の会話を聞きながら、義姉がニヤニヤとする。

「……なに?」
「いえ」

陸斗が少し愚図り出したので、鞄からビスケットを取り出して渡したら大人しくなった。
そこへステーキが運ばれて来た。

「ステーキなんて、久しぶり。ファミレスのお肉でも、いまの私にはご馳走よ」

嬉々としてフォークとナイフを持って、食べ始める。

「ママ、おいし?」
「美味しい~」
「ボクもっ」

義姉が小さく切って、風太の口に入れる。

「おいしっ」

ご満悦な顔の風太に、佐倉が頬を軽く抓った。

「義姉さん、仕事は?」
「うん。まだ完全復帰とは言えないけど」
「技術系のキャリアで資格もってるから強いなぁ」
「まぁね。でも、甘くないわよ」

そこで陸斗が本格的に愚図り出した。

「あー、ミルクの時間だ」

義姉がドリンクバーでお湯を入れてきて、カバンからペットボトルの水を出し、ステック状のミルクを入れて混ぜる。

「ふうた~、ママご飯食べてるからお願いしていい?」
「いいよっ」
「弓槻くん、陸斗を風太に抱かせて」

え?と言う顔をしながらも、佐倉が言われた通りに陸斗を抱き上げると、風太が手を広げて待っている。

「弓槻くん、横抱きにしてやって」

佐倉が言われた通りに風太に横抱きに抱かせると、何でもないことのように哺乳瓶を持って口に入れてやるのを見て、佐倉が目を見張る。

「時々ね、こうやって弟の面倒みてくれるのよ。泣かせる時も多いけど、笑わせるのも風太なの」

「風太。お前、凄いな」

佐倉が本当に感心して風太に言えば、小鼻を膨らませる。

「自然とお兄ちゃんになって行ってるんですね」

北見も同じように言えば、義姉が「そうなの」とステーキを口に運ぶ。

「弓槻くんみたいに、ブラコンになるかしらね」
「……俺、ブラコンじゃないし」

佐倉が否定しても、義姉はクスッと笑うだけだ。

「違うからなっ」

今度は北見に向かって言って来るから、北見も小さく笑った。

「いえ、なんとな~くそれは感じてました」
「はぁ?」

「いいじゃないの。仲の悪いきょうだいだっているんだから。うちはこうして、時々甥っ子の面倒見てくれる弟がいて、有難いと思ってるのよ」
「まぁ……可愛いし」
「うん。可愛いと思ってくれるのが伝わるから、こっちも安心できるの」


しばらくしてミルクを飲み終えたらしく、風太が陸斗に面白い顔をして見せては陸斗が笑う。

「風太、背中トントンして」
「はいっ」

重いだろうに何とか体の向きを変え、縦抱きにして背中をトントンとしていると、ケホッとげっぷが出た。

「マジで風太、凄い」

佐倉が言えば、へへっと照れる。

「いつもこうだといいんだけどね~、そうはいかない。どっちも泣き出すと、大変」

皆が食べ終えて、佐倉が陸斗を抱っこしようとすると風太が邪魔をする。

「ヤキモチやいちゃって」

義姉が陸斗を抱き、そのまま横の北見に渡される。

北見のメガネに陸斗の手が伸び、外して自分の口に入れた。

「あー、もう。何でも口に入れるんだから」

義姉がメガネを取り上げ、陸斗が舐めた場所を拭いてテーブルに置く。

北見が陸斗をあやしながらふと佐倉を見ると、風太が膝の上に乗って仲良しこよしだ。

「どうやら、陸斗は北見くん担当?」
「そのようですね」

二人で仲の良い叔父と甥と見ながら話す。

「北見くん、ホント子供の扱いに慣れてるわよね。抱き方で分かる」
「甥っ子と姪っ子が六人居るんで多少のことは」

義姉が兄弟が多いのは聞いていると言い、何番目かを聞いて来る。

「三男です。六人きょうだいの真ん中なんで、上の圧力と下の突き上げで育ってきました」
「生まれながらの中間管理職だわ」

北見が「上手いこと言いますね」と笑う。
それにしても風太が、佐倉にベッタリだ。

「そこ、イチャつき過ぎでしょう」
「は? イチャつき過ぎってなんだよ」

「風太が最大のライバルってことじゃない?」

義姉が佐倉に言えば、微妙な顔。

「ジュース!!」

風太がコップを持って佐倉に催促するから、義姉と北見の分も一緒に持ってドリンクコーナーへ。

「楽だわ……」

義姉が、ふぅ……と息を吐く。

「いつでもオッケーって訳にはいかないけど、また子守しますんで」
「ありがとう~。北見くん、優しいのね。まぁ、あなた達も今からは立ち位置的に、どんどん忙しくなってくるから」

仕事の話に脱線して話していると、佐倉と風太が飲み物を持って戻って来た。

「弓槻くん達も、うちのマンション買いなさいよ」
「……いきなり何?」
「いつかの話よ。男二人でバリバリ働いていくなら、充分可能でしょ? うちのマンションじゃなくても、ここら辺はたくさんあるし」

佐倉と北見が目を合わせる。

「同じ会社だと住所の問題があるけど、そこらへんは弓槻くんはうちのを出すとか」
「そんな簡単に」
「ま、言ってみただけ。だって、あなた達が傍に居てくれたら安心なんだもん」

義姉がふふっと笑って、コーヒーに手をつけた。


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