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片想いのこじらせ方

片想いのこじらせ方 66

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佐倉は接待ウィークとも言える毎日を過ごし、先方の都合でぽっかりと空いてしまった日に、富樫の店に向かった。

待ってる。

そう言われたことが、富樫に向かわせる。

約束した訳じゃない。

逃げた富樫が「待ってる」と言ったから。
……それだけで、俺は行こうと思った。

富樫ならきっと、俺に現実を見せてくれる。

何でも良かった。
今のこの気持ちに、着地点らしきモノの影でも見えるのなら……。



扉を開けると、まだ少し早い時間なのか誰も客は居なかった。

「いらっしゃい」

カウンターの中で富樫がニッコリと微笑む。

「来てくれて、有難う」
「うん。接待がキャンセルになって」

言い訳のように事実を述べ、ハイボールを頼んだ。
毎日酒を呑んでいい加減休ませたいが、ここはバーだ。

「薄めで」

せめてそう付け加えた。

富樫はニッコリと笑って、本当に薄く作っている。

「はい。極薄」
「有難う」
「別にいいのに。ウーロン茶でも」

くすっと笑う顔を見て、好きだった顔だと思う。

「ちょっと疲れてる?」
「サラリーマンって、皆そういう時あるだろ」
「そうだね。俺もそうだった」

富樫が苦笑いをして見せるから、佐倉も小さく笑った。

「噂、知ってるよね。隠すつもりもないけど」

あぁ……女に入れこんで離婚して、会社辞めたってことか。
佐倉が黙っていると、目を伏せた。

「もう、色々と限界だったから」

しんみりとしてしまうと、富樫がふっと笑う。

「そういう話をしたくて、また来てくれって言った訳じゃないよ」

やっぱり、あれか?
俺の気持ちに気付いて、避けたことか?

佐倉は急に怖気づいた気持ちになってしまった。

何処までも臆病になるのは、まともな恋愛をしたことが無いせいか。



「佐倉……聞きたいことがある」

ほら……来る。
その話をしたくて、自分も来たのに。

「いいよ」

富樫がいきなりレポート用紙を取り出して、走り書きをして外に出た。

「……どうした?」
「少し外出するって張り紙してきた」

カウンターに戻りながら、富樫が言って佐倉に向き合う。

「俺のこと、どう思ってたか聞きたい」

はい、来た。

そうおどけるように心で呟き、煙草に火を点けた。

「今更、聞いてどうするの?」
「どうもしない」
「だったら、何で」
「聞きたい」
「俺は、お前の過去のモヤモヤを払拭するために来たって訳だ」

嫌味だ……これは。
自分だって、払拭したいくせに。

「そう」

あっさりと認める富樫と、カウンターの前でほんの数秒見つめ合う。

あぁ……こいつのこと、本当に好きだったんだよな、俺。


「好きだったよ」


「……有難う」
「今更、礼を言われても」


好きだと言って、スッキリしたかと言えばそうでもなかった。
力が抜けたとてもいう方が合ってるかな……。

「傷つけたよな、俺」

富樫の確信めいた言い方に、佐倉は無表情で煙草を吸って吐く。
その間、富樫は答えを待つように佐倉を見つめていた。


「あぁ……凄く」

佐倉の答えに、富樫が目をギュッと閉じた。

「凄く、傷ついた。今も棘になって時々刺さる」

追い打ちをかけるように佐倉が言えば、何度も小さく頷く。


……お前が傷ついた顔すんな。

俺だって、分かってる。

お前が悪い訳じゃない。
俺は何も言ってないんだから、何も始まってもいない。

俺が勝手に好きになって、勝手に見つめて、気付かれて。
お前は戸惑い、俺を避けた。

まだ二十歳だったんだ。
学生で、世界も今よりずっと狭くて……。

どうしていいか分からなくて避けるしか出来なかったってくらい、この年になれば分かる。

「……何で」

そこで言葉を止め、富樫が伏せていた目線を上げてこっちを見た。

「何で俺なんだろうって……。不思議で仕方なかったんだ。地味だし、その他大勢の俺を何で佐倉は……そう思って」

そんなもの、理由なんかない。
俺にだって、分からない。

「わからない。好きになるのに、一々理由なんかあるかよ」

「佐倉は、ゲイ?……じゃないよな。普通に女とも付き合ってたし」
「そうだな。どっちもOKって部類なんじゃない?」

他人事のように言えば、富樫が頷く。

「結構いるよね」

じゃ、何で今更なんだとも思うけど、ここに足を運んだのは俺の意思なんだよな。

「俺がもしあの時、好きだって言ったら……お前どうしてた?」

それが聞いてみたかったのが、本音だ。

「佐倉のことは好きだったよ。けど……」
「回りくどい言い方すんな。ハッキリと言えよ。今もお前を好きなんて思っちゃいないから、安心しろ」

佐倉が煙草を吸って、ニッと笑う。

「そういう顔すると、格好イイなと思ってたよ」
「言えよ……富樫。俺はそんな褒め言葉聞きにきたんじゃない」

佐倉が片肘をついて、顎を乗せる。

「俺を、斬れ……富樫」

お前の中途半端な斬り方に、十年経っても傷がジクジクしたまんまだ。

富樫がふっと微笑んで、佐倉を見た。

「あの頃の俺なら、今の佐倉の気迫だけで怯んでた」
「あの頃、は余計だ」

すかさず佐倉がキツく言えば、しばらくして小さく頷く。



「恋愛対象としては見れなかった。俺の佐倉への気持ちは、憧れだ」

ハッキリと言われ、何故か安堵の息が漏れた。

十年の前の可能性をぶった切られてホッとするなんて、自分でも分からないけど。

過去のことであれ「答え」が出たことに、気が済んだような感じともいうべきものか。

あの時だって、富樫と恋愛したいなんて思っていなかった。
もっと生々しい……触れたいという思いの方が強かったんだ。



「俺は気持ちを言うつもりなんか、無かったよ」

煙草を消して、薄いハイボールを呑む。

「見てるだけで嬉しかったんだ。……ただ、好きだったんだよ。それだけ」

佐倉がもう一度、過去の恋心を吐露して、ふぅ……と息をつく。


「俺は……佐倉が、怖くなった」

富樫が目を伏せたまま言った。

やっぱりそうか。
お前が俺を見る目に、それは感じてたよ。

男の欲望を持った目。
女に向けるよりも、もっと強い……。
同じ性を持つ者を、屈服させたいという欲望がにじみ出るからだろうか。

そんなものを突然突き付けられれば、怖いもんだ。
ましてやノンケで、まだ二十歳前後。

「……でも、佐倉」
「なに?」
「あの頃の佐倉から向けられた想いが、俺に力をくれた。そういう時期もあったんだ」

富樫が優しく微笑んで、そう言った。


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~ Comment ~

好き

Kiri様。

好きって一番下から一番上までありますよね。愛してるって一個しかない気がするけど…。

家の猫+犬達の「長男」に向けられる好きは「はっ!はっ!はっ!どーにでもしてっ。なんでもしてっ。揉んで、触って、噛んで(長男はほんとに噛み付きますが噛まれた方は気持ちよさそうにボーッとします(//∇//))いいわーっ!」って好きなんだけど、私に向かう好きは「あっ!ままぁ。おかえりー。ごはんはぁ?お散歩はぁ?お尻掻いてー?」みたいな好きです( ´∀`)

きっと人も、男同士も「好き」に色々あってもいいんでしょうね。

その好きがちゃんと説明出来れば楽なんでしょうけど、なかなか人間の感情って説明出来ないですもんね。めんどくさいトコですけど…

動物なんだから犬猫みたいに素直に表現出来ると変な誤解も随分となくなるんでしょうね。

北見ちゃんも好きがちゃんと説明できるといいですね。

さくらちゃんの好きは決まってるのに…

あーっ。これ!面白いです。Rはないのにこのイライラする楽しみ感…ε=(。♡ˇд ˇ♡。)

Kiri様が私をマゾにして行く…明日も超楽しみです。

!!!まさか?富樫…とは何にもないか…(≧∇≦)



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Re: 好き

潤様

うん、色々あるねー。
愛情と恋心ってまた違うし。

「恋をする」って、もう大人になってしまうと(それもかなりの大人ww)中々無いんですよね。

愛情はもう色んな種類のをたんまりと抱えてはいるんですが…。
夫婦も、子供も、友人もetc…。どれもこれも、恋とはまた違うし。

この恋心でいられる「今」を描くのが楽しいです。
くっついちゃうと、少しずつ愛情へと変換されて行くーー。

Rはないです…長いことない(笑
今回は、アラサー男子の恋心に焦点をば。

で、Rシーンになっちゃうと照れちゃうんだよね…何だか(笑

潤さんとこのワンコ!!可愛い♥
うちも昔々、ニャンコを一時的に飼っていた頃…(まだ子供が生まれる前)
発情期の時だけ(♀)旦那にずっとくっついて離れないの。普段は見向きもしなかったのに…。

有難う御座いました☆

Re: あれ〜(涙)

鍵コメn様

え、この回で。゚(゚´Д`゚)゚。でしたか…。有難う…♥
過去に刺さった恋が、切なかったですかね^^

はい、楽しみにしてもらえてると、また夜中にチミチミと書けるんです…腐

有難う御座いました☆

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NoTitle

kiri様。
サクラちゃん。結構な肉食やったようで(苦笑)
そら、同級生から『触りたい!ヤリたいっ!』オーラ悶々の熱視線を浴びせられたら、富樫さん、怖くなって目を合わせてくれなくなりますよ。
若い雄♂のギラギラした視★姦は、肌に突き刺さったことでしょう。
もし、この時に逃げずにサクラちゃんに捕まってたら、2人は一体どうなっていたんでしょうね。。。

さて。
頑張れ、富樫ーー!! ←なにを?

Re: NoTitle

鍵コメC様

わ~、有難う御座います。
そう言ってもらえると、書けます…はい。

あまりにも毎回焦らしと言われ続けると(もう何年もw)じゃ、どうやって書けばいいのかな…。と
書く気力が一気にダウンしちゃうんですよね…困ったことに。
なので、恋カタ~ から、ちょっと間が空いちゃいました。
何処まで続くか分かりませんが、出来る限りは…。
さっき、久々に村のランキングみたら 知らない方が増えてて…(゚д゚)!
皆さん、やめちゃったの??涙  …と、寂しく思っていた処でした。
あ、マイページでポチ数はちゃんと見てます♪で、よっしゃ!ガンバローと夜中に改稿…w

あ、頑張って下さいーー!
私の友人夫婦も、2人でサイドでお店やってて、そこに行くと同級生が誰かいる…という感じで。
アットホームでよく皆が集まってました。事情あって、やめちゃったから寂しい…。復活、求む…w

有難う御座いました☆

Re: NoTitle

優様

佐倉は今も肉食で御座います…。Rシーン書いてないので、分からないですよねw
でも、エチをしたいと思ったら狩に行く。相手に、激しいと言われておりましたっけ…爆
どこにも哀愁も何もなく、発散型!!はい、あの隼くんの一時のように…(。・w・。 )

そんな佐倉さんですから。若い頃はもっと露骨だったと思いますよー。
今は上手く発散することも覚え、仕事も多忙なので、北見くん無事ですが←

あ、でも北見の方が腕力あるの分かってるからね…。
男は自分より上か下か(力)見定めてますからwモチ、無理矢理なんか以ての外だし!

怖かったね、富樫くん…。
佐倉さん、受けですが。まかり間違っても可憐な受けではないので…笑

有難う御座いました☆
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