女性向け創作サイトリンク集B-LOVERs★LINK 人気ブログランキングへ

スポンサー広告

スポンサーサイト

 ←片想いのこじらせ方 63 →片想いのこじらせ方 65
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


もくじ  3kaku_s_L.png はじめまして
総もくじ  3kaku_s_L.png お知らせ
もくじ  3kaku_s_L.png 視線が追う先に
もくじ  3kaku_s_L.png 溢れる想い
もくじ  3kaku_s_L.png 逢いたくて
もくじ  3kaku_s_L.png 愛を、くれ。
もくじ  3kaku_s_L.png 蜜月
総もくじ  3kaku_s_L.png 愛なんぞ、くそ喰らえ
もくじ  3kaku_s_L.png 恋のカタマリ
総もくじ  3kaku_s_L.png ● 信史と秋也☆番外編
総もくじ  3kaku_s_L.png ● 勇次と隼☆番外編
総もくじ  3kaku_s_L.png ● 龍介と達也☆番外編
総もくじ  3kaku_s_L.png ●洋平と明良☆番外編
総もくじ  3kaku_s_L.png ●冬吾と澪☆番外編
総もくじ  3kaku_s_L.png ●内野と浩太☆番外編
総もくじ  3kaku_s_L.png ●堂本と拓篤☆番外編
総もくじ  3kaku_s_L.png ●北見と佐倉☆番外編
総もくじ  3kaku_s_L.png シリーズモノ〈番外〉集
総もくじ  3kaku_s_L.png パラレル
総もくじ  3kaku_s_L.png 頂きモノ
  • 【片想いのこじらせ方 63】へ
  • 【片想いのこじらせ方 65】へ
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit

片想いのこじらせ方

片想いのこじらせ方 64

 ←片想いのこじらせ方 63 →片想いのこじらせ方 65
「何にする?」

富樫がおしぼりを渡してから、聞いて来る。

「俺、ビール!」

坂巻が張り切って答える横で、佐倉がハイボールを頼んだ。

富樫がグラスビールを坂巻に出し、氷を割ってハイボールを作る。
その手つきはやはりバーテンそのものだ。

大きな手……この手に触れたいと思っていた、あの頃。

好きと性欲が、今よりもずっと直結していた青い時代。
あの頃は、他で発散することを知らなかったから。

そんな時に男とのSEXを覚えた。
対等に欲望をぶつけ合え、気を遣うこともない、スッキリする行為。
甘ったるさなどどこを探したってないし、求めてもいない。

一番最初のスタートがそこからだったせいなのかどうか。
俺にとって男との行為は、そういうもの。

富樫への好きな思いだけを胸に抱え、その手に触れることもないまま……ただ見つめていた。

佐倉は胸に刺さったままの棘がチクリと痛む。



坂巻が一人で喋っている間、佐倉は相槌を打ちながら酒を飲む。

富樫も聞き役で、時々目があってはクスリと笑い合う。

十年前と同じように、富樫は俺の目に映っている。

……もう盗み見るようなのではなく普通に、多分自然に見ることが出来ている。

それが十年という月日を感じさせた。


佐倉は煙草に火をつけ、富樫を見ながらその向こうに北見の顔を浮かべる。

目も鼻も口も。
どこも何も、似てない。
眼鏡と長身と、全体的な雰囲気くらいか。

……俺の人を好きになる起点って、そんな切っ掛けかよ。


坂巻がトイレに立ち、富樫がこっちを見た。

「本当に久しぶり」

改めてそう言われた。

「あぁ……」
「大学時代を思い出すと、いつも佐倉が出てくる」
「…………」

そうか。俺もだよ。
そうとは言えず、苦笑いで誤魔化す。

「憧れてた」
「……え?」
「いつも誰かに囲まれて、明るくて押しも強くて。俺に無いモノを持ってる佐倉に」

そうか……。
お前の好意を感じてたのは、それだったんだ。

それを勝手に良い方に取って、浮かれた時もあった。

憧れてた……ね。
けどさ、俺の気持ちに気付いてお前避けたじゃん。

いつも学校に行く前に、お前と今日は会えるかとか……そんな風に楽しみにしてたんだよ、俺。
なのにさ。お前の俺を見る目に怯えが見えて、どれだけショックがデカかったか。

お前は知らないだろう。

目も合わせないって、どうなんだよ?
それもある日、突然だぞ?

言えない言葉だけが、心に溜まる。

「そっか」

結局言えたのは、それだけ。

「不思議だったんだ……」
「何が?」

そこに坂巻がトイレから戻ってきて、富樫は口を噤んだ。

それ以上言わないってことは、多分そういうこと。
佐倉も、問わずに終わらせた。

男女なら、例え坂巻に聞かれたって過去の笑い話にでも出来るだろうけど。
さすがに男と男じゃ、な。

「しっかし、暇なバーだな。俺らしか客いねぇぞ」
「うるさいよ。たまたまだ」

そのタイミングで、客が四人入ってきた。

「ほら」

富樫がクスッと笑って坂巻を見る。

カウンターは八人程度しか座れないから、もう一杯に見える。

十分もすると、今度は三人連れが入って来た。

「帰るか」

ボックス席もあるが、カウンターに目線を走らせているから佐倉がそう言った。

「そうだな」

坂巻も頷いて富樫を呼び、自分が誘ったからと奢ってくれた。

席を立って坂巻が先に店を出る。

「佐倉……」

カウンターから富樫が出てきて、腕を掴まれた。

「……なに?」
「また、来て。今日、ちゃんと話出来なかったし」
「あぁ……」
「待ってる」

名刺を渡され、佐倉は受け取って店を出た。

富樫も何処かで俺に悪いと思ってるのだろう……そういう目だった。

中途半端にして斬り捨てた過去など誰にでもある。
俺だけじゃなく、富樫も払拭したい過去なのだろうか


顔を合わせてしまえば、あの頃の想いは風化していた。
尤も、今は違うヤツを好きだからか。

北見を好きになっていなければ、俺はまだ富樫に会えずにいたはずだ。

想いは風化していても、小さな棘は刺さったまま。
大して話は出来ず、昇華出来るようなことも無かったけど。
また来てくれと言われて、ただ素直に嬉しかった。

駅で坂巻と別れ、佐倉は自分の家への電車へ乗った。

*

家に帰ってから、ソファーに座って書類をテーブルにポンと投げる。
ネクタイを緩めて、目を閉じた。

過去の片想いの相手に会ったからといって、答えなんか出る訳もなく。
俺が今好きなのは、北見だということを再認識しただけだった。

あいつの言葉が、あれからずっと頭の中を巡る。

――多分、これって嫉妬かもしれないんですよね。

――気持ち悪いですか?

――佐倉さんって、わりと偏見あるんですね。

――俺は……青木さんの、佐倉さんを見る目にモヤモヤしたんですよ。

全部、覚えている。
気分を害した北見の顔も……。

くそ……っ

――気持ち悪いこと言って、すいませんでした。

なんでお前が謝るんだよ……。




じゃ、お前は。
男に触れたいと思うのか?




そう言いかけて、当然言える訳もなく言葉に詰まった。

俺は触れたいよ……お前に。
その大きな手で、肌をまさぐって欲しい。

俺の好意は、そっち。

体だけの関係など望んでないくせに、恋愛には強い抵抗がある。


この矛盾した気持ちが、自分でも腹が立つ。
どこを目指して着地すればいいのかが、分からない。

……なんで、踏み込んでくるんだよ。

俺の引いたラインを、平気で超えて来るんじゃねぇよ。

会社の帰りに、たまに飯や酒飲んで。
それでいいじゃないか。

片想いを冷めた目で見ている自分が、居るんだよ。

そんなもんなんだって、割り切ろうとしていたし……それなりに出来ていた。

もう大学時代のような、ああいうのはキツい。
親に見合いを迫られるような年になってまで、あぁいうのはもうキツいんだ。

お前にあんなこと言われてから……。


期待するなって思っても。


思っても、思っても……思っても。

もしかしたら、お前は俺に触れてくれる可能性があるのかと……そっちに流れて行く。

何でもすぐに体に直結してしまう自分にも嫌気がさすけど、それが俺なんだよ。

そして、北見が自分の裸を見てどう思うかまで行く。
足の間に、自分と同じ性器がついてる俺を見て……どんな顔をするのかまで。

毎日、そこで居たたまれなくなって終わる。


北見……。
……無神経なノンケ野郎。
てめぇ、人の気持ち知りもしねぇで。


今度そういうこと言ってみろ。

知らねぇからな。


いつも応援、有難う御座います。
にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ
にほんブログ村
人気ブログランキングへ
関連記事


もくじ  3kaku_s_L.png はじめまして
総もくじ  3kaku_s_L.png お知らせ
もくじ  3kaku_s_L.png 視線が追う先に
もくじ  3kaku_s_L.png 溢れる想い
もくじ  3kaku_s_L.png 逢いたくて
もくじ  3kaku_s_L.png 愛を、くれ。
もくじ  3kaku_s_L.png 蜜月
総もくじ  3kaku_s_L.png 愛なんぞ、くそ喰らえ
もくじ  3kaku_s_L.png 恋のカタマリ
総もくじ  3kaku_s_L.png ● 信史と秋也☆番外編
総もくじ  3kaku_s_L.png ● 勇次と隼☆番外編
総もくじ  3kaku_s_L.png ● 龍介と達也☆番外編
総もくじ  3kaku_s_L.png ●洋平と明良☆番外編
総もくじ  3kaku_s_L.png ●冬吾と澪☆番外編
総もくじ  3kaku_s_L.png ●内野と浩太☆番外編
総もくじ  3kaku_s_L.png ●堂本と拓篤☆番外編
総もくじ  3kaku_s_L.png ●北見と佐倉☆番外編
総もくじ  3kaku_s_L.png シリーズモノ〈番外〉集
総もくじ  3kaku_s_L.png パラレル
総もくじ  3kaku_s_L.png 頂きモノ
  • 【片想いのこじらせ方 63】へ
  • 【片想いのこじらせ方 65】へ

~ Comment ~

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

こじれたモト

kiri様、おひさしゅうです。ずーーっと潜っておりました_(^^;)ゞモチロンヨンデマシタヨ

さくらちゃん、いちいち可愛いです。北見くんの方が年下だけど"さくらちゃん"で"北見くん"だなぁ。

富樫さん、出てきましたね。さくらちゃんが北見くんへの気持ちを認めた上で次に進むためには絶対通る道だと思いました。なんせ『モト』でしょうから。
それでもさくらちゃんの中にも進みたい、んーちょっと違うかな?…なんていうかそろそろ過去にけりをつけたいと無意識に思ってたのでは?
それも北見くんの登場があってこそ?

青木さんのことでさくらちゃんだけじゃなく北見くんも揺さぶられて、ふたりの結論が直ぐに出ないじれじれした葛藤。とても甘酸っぱくどこか羨ましく。。。


Kiri様はよく濃い話ー薄い話と表現されるけど私は薄い話カテゴリーの方が萌えるようです。なんでかなぁ( ´~`)ゞ
理由は分からないけど私はこの話は大好物という訳です。ふたりの長い葛藤、着地するまでついていきます♪
。。。久々のコメ、何が言いたいのか自分でも分からないくらいとっちらかりな文になってしまい、m(_ _)mモウシワケアリマセン…

Re: 最後の一言…ε=(。♡ˇд ˇ♡。)

鍵コメj様

相変わらずお忙しそうで!
コンビニパン食べながら、溜め読みお疲れさまですww

はい。佐倉さんは、受けでも男なので…。
それも属性隼なので、自分から行く方なんですよ。
ただし。エチに関しては!!爆

好きな相手には、手を出せない…。ここはもう、お約束ですね。

けど、あんまり近寄ってきたら「知らねぇぞ」
しかし…男って好きな相手にはヘタレなんで、そんな簡単には行かない。そこが可愛いとも言えるw

37はもう王道ですからね(私のサイト内のみですが)

おーそのDVD。面白そうです。巧い若手が2人!ちょっと検索してみよう…。

有難う御座いました☆

Re: こじれたモト

mikura様

お久しぶりです^^
うん、佐倉さんは「サクラちゃん」呼びする方結構いますね。それが微笑ましいw
北見は北見くん…だな。私も。年下攻めのせいかなー。

そう、ここらへんで富樫を出しました!
北見を「好き」になったことで、嫌でも思い出すようになってしまった「こじれ」の元。
10年ぶりの恋なんですよ…佐倉さん。基本的に、惚れっぽい性質では無い方なんで。

多分、今までも「タイプ」は居たと思うんですよね。で、それを時々眺めるような淡いのはあったかと。
けど、北見の場合は距離が近くなり過ぎちゃって、内面にも触れて…マジ好きになっちゃった。

程よい距離。佐倉主導の時は保てたんですが、北見が懐いてグイグイ来たのは計算外。

うん。薄カテ(笑)の方を好む方も結構いますね。本当は、書き手は濃い方が書き易いww
特に今回は悪人も出ないし。悪人出した方が、これも書き易いんですけど(メリハリがついて)
今回はあえて、本当に淡々…と目指しました!好みな方だけ読んでもらえたら充分です(*゚ー゚*)

最後までよろしくですー。

有難う御座いました☆
管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【片想いのこじらせ方 63】へ
  • 【片想いのこじらせ方 65】へ
にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。