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片想いのこじらせ方

片想いのこじらせ方 63

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組合の会合に出て、坂巻と帰りに飯に行く。
会合の場所や時間はその時によって違うが、二人とも今日は直帰だ。


居酒屋で焼き鳥を食べながら酒を飲んでいると、坂巻がもう一軒行こうと誘ってきた。

「何処行くんだよ」
「富樫の店、この近くなんだ」

え……。

「行こうぜ。どーせ飲んで金遣うならさ、大学時代のダチの店で金落としてやろうや」

いやいやいや、無理。

「いや……俺、急ぐし」
「は? さっき、帰っても寝るだけだなんだ言っといて。一杯だけでも付き合えって」
「急に言うなよ」

思わず責めるような口調になってしまう。

「どうした?」

坂巻は気を悪くしたようでもなく、キョトンとした顔だ。
こいつのこういうところ、助かる。

「何かあったのか?」
「無いよ」
「じゃ、決まり」

ニッとする坂巻に、佐倉が気づかれないように小さくため息を吐いた。

あまり頑なに断るのも変だよな。


大学を出てから、八年が経つ。

今も時々傷痕を見てしまうのは、北見を好きになってからだ。

「ほんとに近所かよ」
「歩いて五分もないって。駅までの途中にあるんだ」

駅までの途中か。
尚更、断れないじゃないか。

目の前の坂巻はもう行く気満々で、残ったビールを飲み干している。

「佐倉?」

考え込んでいる佐倉に、坂巻が首を横にして覗き込んできた。

……そうだな。
別にいいか。


「一杯だけだぞ」

*

佐倉はバーに向かう道中、だんだんと良い機会かもしれないと思い始めていた。


北見にあんな風に言われてから、何かを期待する気持ちが芽生えてしまった。

その期待に自分で戸惑い、困惑している。


俺は、北見と恋愛したいなんて思っていなかった。
強がりでも何でもなく、そこまでは望んでいない。


俺はゲイじゃない。
SEXは出来るけど、好きとそれは別なんだよ。

そこだけは、完全に割り切ってきたはずなのに。
……それが崩れ始めている。

ただ一方通行で眺めて、自分勝手に楽しんでる方がいいんだ。

時々酒飲んだり、飯食ったり……それだけでも、楽しくて嬉しかった。

いつの間にか距離が縮まってしまったのは、俺が近づき過ぎたのか?

俺が誘っていた最初の頃は良かったんだ。
ただの好みだっていうだけで、まだ好きだとまでは行ってなかったし。

いつの頃からか北見から誘われることが多くなって……気付けば、今の距離。

そういや、避けていた時期もあったんだよな。

…………。


青木が言った言葉がシコリのように胸に残る。

『好きな男に好きと言われたら? 恋愛出来る?』


あんなこと言うから……。

可能性……そこまでは考えたよ。

けど、やっぱりわかんねーよ。
そんなの想定外なんだ。

まぁ、好きとかじゃないって本人も言ってたし。
俺もそこまで己惚れちゃいない。

ただ、もしかしたら……なんて思う気持ちが芽生えて混乱してる。

見合いまで持って来た母親の顔が浮かぶ。
特別親孝行でもない俺でも、親を卒倒させたいとは思わない。

―― ノンケってヤツは、無自覚に好意をぶつけてくる。

バーで勲が言ってたよな……。

ほんっと、やめてくれ。


俺が北見と恋愛したいと思っていたなら、喜ぶべきことだろう。
これはもしかしたらチャンスなんじゃないかと食いつきもする。

例えあいつの勘違いであっても、それを盾にして攻め込む。
青木の言うように隙が見えれば、そこを突いてでも獲りに行くだろう。

……なんてな。
仕事と一緒にすんなよ、俺。

第一、男同士で恋愛なんて何するんだ?
甘い言葉とか言い合ったりするのか?
くっ付いて寝たり?

うわ……無理。
考えただけで恥ずかしくて、何処かに走り出したくなる。


SEXだけなら平気なんだ。
北見の場合、俺で勃ったら……の話だけど。

生々しいことが浮かんで、歩きながら首をブルブルと振る。

やっぱり無理……。
相手が北見だと、考えただけで恥ずかしい。

それに体だけの付き合いなんて、さすがに北見相手じゃ虚しいに決まってる。


じゃ、何したいんだよ?

自問自答してみても、自分自身が定まってないのに分かる訳もない。


だからこそ……。
富樫に会えば、現実がちゃんと心に落ちてくるかもしれない。

過去の傷を正面から見つめれば、この動揺する気持ちを消せるかもしれない。


*

店に入ると、そこはカウンターとボックス席が二つだけの小さなバーだった。

「富樫! 佐倉を連れて来たぞ」

坂巻が自慢気に声を上げ、カウンターの中からこっちを見ている富樫に手を上げる。


わ……本物だ。


久しぶりに見る富樫を目に捉え、佐倉はゆっくりとカウンターまで歩いて行く。

その富樫はもう、俺と目が合っても逸らしたりはしなかった。

当たり前か。

もう学生じゃない。
こっちは客で、向こうはバーテンで仕事中。

それに俺と会いたくないなら、社交辞令でも連れて来てくれとは言わないだろう。
俺の知っている富樫は、そんなヤツじゃなかった。

大きな店じゃないのに、やけに遠く感じる。
出入口とカウンターが少し離れているとはいえ、ほんの数歩だ。


富樫が俺を見ている。


心臓に悪いな……やっぱり。

大学で姿を探していた頃の自分と一瞬だけ重なる。
その後避けられたことまで甦り、胸が本当に痛くなってきた。

いや、過去だ……。

富樫は、もう俺の過去。
あんなことは大したことじゃないというフリくらいしてみせろ。


怯むな、弓槻。


こいつは俺を避けて逃げたくせに……のうのうと「会いたい」というヤツだ。



佐倉は営業魂を見せるかのように微笑みを作り、富樫の前に座った。

「有難う、坂巻」
「おう、いいってことよ」

「佐倉……久しぶり」

二人に向かって礼を言う富樫は、あの頃よりは年を取った。
……まぁ、お互い様だけど。

「佐倉、全然変わってない」
「……それ、褒めてないぞ」
「でも、大人になった」
「もう三十だよ」
「それは俺も同じ」

スムーズに会話が出来ていることに、ホッとする。


目の前の富樫は、あの頃のままの優しい雰囲気を失っていない。

佐倉は富樫を好きだった気持ちを切なく思い出す。

毎日、彼の姿を探していた。
学部が違う分、頻繁に会う訳でもなかったから見つけると嬉しかった。

佐倉の脳裏に、あの頃の想いが駆け抜ける。

好きで、好きで。
溜まって行く想いだけが膨らんで……。
ただ姿を見るだけで胸がいっぱいになるくらい、好きだったんだ。

そんな視線に、富樫が気づいて終わった……十年前の、俺の片想い。


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Re: NoTitle

鍵コメe様

ここで、富樫登場~。

10年前の傷み。
少し薄れていて、思いだすことも無く成ってきていたのに。
それは北見のせい(笑

この登場がどうなるか。いきなり急展開はやはり無いんですけどもw
あー。坂巻くんが居るからなぁ…どこまで話せるかビミョー(苦笑

そう。佐倉は好きな気持ちと恋愛とを、結び付けられない。これがタイトルの「こじれ」です。
北見への片想いをこじらせた訳じゃなく、まさに…好きだったら、普通は恋愛したいんじゃないの?
という素朴な疑問が湧いてくる箇所。
普通の感覚で読むと、ココが多分不可思議だと思いますww
そんな意味を込めての、タイトルをつけましたー!

さ、どうなりますか…( *´艸`)

有難う御座いました☆

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Re: タイトルなし

鍵コメh様

苦い恋の思い出。それが恋愛までも行かない片想いでも、有りがちなことですよね。

佐倉の場合、学校に行くたびに姿を探して見つけて、時々話しかけて。
たったそれだけでも、嬉しかったんですよね。
それさえも、いきなり拒絶されちゃったから(>_<)

>好き=恋愛への発展が結び付かないのはなんとなく分かるような気がしてきました…
うん。何となく…で充分なんです。
普通なら、好きだったら叶えたいじゃないですか。もちろん、佐倉だって100%望んでない訳じゃないと思う。
でも、それに付随する様々なことを思えば(親や社会的な摩擦)簡単には思えない。

北見が偏見ある…って口走った時、答えられなかったのはソコです。
簡単に「無い」って言えない。真剣に考えたからこそ、答えることが出来なかったんでしょう。

わ、順調に読み進めて下さってるようで♪
せっかくのお休みを費やして頂いて(涙

濃いカテから、薄カテに行った時「え?」って戸惑いそう(〃艸〃)
何処かに一つでも「うん、そうそう」って思ってもらえる箇所かあったら、書き手は大満足です…♪

そして、もうひと方。
あらら、強い男が結構強烈だったようで…笑 それも嬉しいなー。
いつもなんですが、どれでもいいから(SSでも)印象が残るお話あったら、書いて良かったと思えるんですよね。

無理せず、ゆっくりと。自分ペースで読んでもらえたら(*゚ー゚*)

あはは、はじめましてww なるほど…(´艸`*)

有難う御座いました☆

NoTitle

kiri様。

ちょっと振りでございます。
また、性懲りもなく、スマホが初期化しておりました。
その前に3日ほどスマホが使えず!でも、無けりゃ無いで平気やったりするけど。
そして、相変わらずデータをバックアップしてなかったので、トビました(涙)

さて、この一週間の間にサクラちゃんにまた色んな兆しが。。。
冨樫さんに会ってみたら、サクラちゃんから目を逸らさなくなってた。
冨樫さんに会ったことで、サクラちゃんのこじれてしまった恋愛観が、解ける兆しが見えたら良いのですが。。。。。

さ、ノン気故の直球男、北見ー。
こやつ、たいがいサクラちゃんを振り回しすぎ(苦笑)
風太に会って、『おじさん、だれ?』とか言われて、凹んでまえ(笑)


では、また。

Re: NoTitle

優様

あららら…スマホ(゚д゚)!
バックアップ…。ギクリ 右に同じです。どうやって取るもんなのかも、知らん…。

富樫くん出てきました。ひょんなことで顔合わせしましたね。

10年の月日の流れが、あの時とは違う目で見ることが出来るかな…。

北見、素直でしょう?笑
ほんと普通に生きてきた人で、友人もそこそこちゃんといて、恋愛などで凄く揉めたこともないし。
結婚話はさすがに堪えたようですが、佐倉よりは尾を引いてない。

そんなヤツなので、佐倉視点で見ると「こいつー!」ですね(笑
でも、ちゃんと真面目に色々と考える人でもある。佐倉は外見に惹かれ、中身に惚れた💙

有難う御座いました☆
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