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片想いのこじらせ方

片想いのこじらせ方 37

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北見が高梁と一緒にブースに入り、佐倉も加わって打ち合わせを終える。

「じゃ、今週末までには」
「了解です」

書類を持って席を立ち営業課を背にすると、高梁が後ろから肩を叩く。

「北見さん。楽しみにしてて下さいね」

親指を立てて言ってくるから、なんだったっけ……と言う顔をすれば、眉をしかめられた。

「飲み会ですよ」
「あ……」

行く、とは言ってないのに。
この柔らかな強引さ……上司に似てる。

「何だ?」

佐倉が後ろから声をかけると、高梁が飲み会の件を話した。

「仕事中だ」

書類で頭を叩かれて、高梁がしまった……という顔をした。

「じゃ、戻ります」
「よろしく」

佐倉が手を上げて、自分のデスクに戻って行く。

何となく目で追ってると、こっちを見た。

目が合って、ジッと見つめられてドキリ。

え?って顔をすると、ふいっと目を背けられパソコンに向かってしまった。

何?……今の顔。
怒ってるように見えた。

北見は首を傾げながら、部屋を出た。

***

休憩時間に喫煙室で煙草を吸っていると、高梁が入ってきた。

「お疲れさまです」

つい睨んでしまうと、高梁が壁際に背中をつけてジリジリと逃げるような仕草をした。

「何、ビビってんだ」
「あ……今日、物凄く機嫌悪そうなんで」
「あ?」

高梁がビクッとして目を横に逸らすが、立ち上がって傍に行った。

「わ、わ、わ、……怖いんですけどっ」
「何がだ?」
「俺、何かしましたっけ? ミスですか? ミス?? 得意先から、クレームですか?」

アワアワする高梁を見て、佐倉は溜息を吐いた。

「別に」
「……何なんですか、もーー」

佐倉が壁にもたれて煙草を吸って、煙を吐き出す。

「あ……」

高梁が声を出して顔を上げる。

「何だ?」
「今日、後藤商事の青木さんに主任のこと聞かれました」

佐倉がそこで固まった。

「……あの?」
「何て?」
「いや、別に」
「……あ、そう」

荒々しく煙草を吸う佐倉に、高梁が首を傾げる。

「何かありましたか?」
「あぁ?」
「もー、いちいち怖いんですって!!」

佐倉が無言で高梁を見つめれば、大袈裟にため息を吐く。

「だって、俺担当ですし……。一応、聞いただけです」

そうだったな……と、力なく答え煙草の灰を灰皿に落とす。

「呑みに誘われただけだよ」
「なんだ。それだけですか」
「それだけって?」
「いや、青木さんの顔が必死に見えたんで」

顔が必死って……。
佐倉は顔を伏せて、苦みを逃す。

俺があからさまに避けてるからだ。

コレだから嫌なんだ。
仕事がやり難い。

まぁ、バーでバッタリ会ったくらいで何もないし、酔って駅まで送ってもらっただけ。

結婚もしてる相手だし、向こうもこれ以上何かをしてくるとも思えない。
仕事に差し支えあるようなことまでは、さすがにしない男だとは思う。
一緒に仕事をしたのは一度だけでも、出来る男だっていうのを知るには充分だった。


「北見さんて、感じイイですよね」

高梁も煙草を取り出して、火を点けながら言った。

「……は?」

いきなり北見の名前を出されて、目を瞬かせる。

「今日も、ちょっと慰めてもらったっていうか……。違う部署の人に言われると、案外すんなり聞けたり」
「上司の言うことよりもか」
「……もー。今日の主任、いつになく突っかかってきますね」

高梁に言われて、その通りだと思った。

それは北見が絡んでるからだ。

飲み会とか?
感じイイ?慰めた?

別に、普通なんだよ。
……どれもこれも。
それで機嫌が悪くなる俺がおかしい。

「慰めてもらって、飲み会誘ったのか?」

でも、気になる。

「はい。北見さん、今フリーだっていうんで誘いました」
「行くって?」
「はい」

……そうかよ。

「俺も行こうかな」
「えぇぇ??」

何気なく呟いた言葉に、高梁が目を大きく剥く。

「何だ、その驚きは。俺がオッサンだって言いたいのか」
「ちょっと……主任、酔ってます? 絡みすぎですよ」
「この野郎……自分らだけで楽しむ気かよ」

佐倉がボソッと言えば、高梁がクスッと笑って顔を見てくる。

「主任、もしかして彼女居ないんですか?」
「…………だったら、何だ」

しまった。
居ることになっていたのに。

「飲み会、大歓迎です!!」

もう、彼女が居ないのは分かったとばかりの高梁に、さすが営業だと変なところで感心もする。

「もちろん、フリーなのは誰にも言いませんよ。言ったら最後、主任狙い撃ちされますから」
「は?」
「イケメンで仕事も出来る、営業のエース。会社の将来を担う注目株で、三十手前の適齢期の男。プラス、フリーとくれば、女が放っておくわけないでしょ?」

こいつ……。

「俺、嫌なんですよね。何か、会社の女に主任取られるの」
「お前の狙ってる子、誰だよ?こっそり教えろ。その子には絶対手を出さないから」

佐倉が笑って言えば、首をブルブルと振る。

「居ません」
「あ、そう」

誰が来たって、付き合う気なんか無いけどな。

「主任が来たら、北見さんも気やすいかな」
「お前、熱心だな」

高梁も煙草を消した。

「楽しみになってきた!!」

ガッツポーズをして、ニッと笑う。

「何を勝手に盛り上がってんだ?」
「予定が決まったら、お誘いしますね」

そう言って、さっさと喫煙室から出て行った。

まずかったかな……。

何が、俺も行こうかな、だよ。

会社の女と付き合う気なんか無いのは、面倒だから。
付き合ってそのまま結婚したとしても、何処かで同僚が繋がってる。
喧嘩したり、何したって筒抜けだ。
良い時も、悪い時も、女は全部伝え合う。

誰だって、出来るだけ避けるだろう。

そのくせに……会社の同僚に片想い中。
それも男だ。

ま、口に出す気もないんだからいいんだよ。

そうやって開き直りながら、北見が女の居る場所へ行こうとすると黙って見ていられない。

……俺が何を言える訳でもないんだけどな。

けど、大人しく女にあっさりと持っていかれるのはムカつく。

自分の目の前で掻っ攫われそうになったら追いたくなる。

何も出来ないくせに。
指を咥えて見てることも出来ず、邪魔したくなる。

けど……嫌なものは嫌なのだ。


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NoTitle

ぶふっっ!
ぐ腐腐ふっ!!
その調子さ!サクラさんっ (●^皿^●)にまー・・・
隠すつもりが。。。

フレー!フレーー!!佐倉っ!


高梁くん。エエ仕事してますやんっ( ̄▽ ̄)
さ。もう一仕事、頼むでー

kiri様。
しかし、この2人が合コン行っても、絶対、ちょっとした隙にイチャコラするんと違う?!
もし合コン相手に腐女子が紛れてたら、格好の獲物ですわねー。
その辺を詳しく!お願いします。(`・ω・´)ゞ敬礼っ


Re: NoTitle

鍵コメh様

そうです。属性が、隼くんなので…。
あの勇次の彼女に意地悪してたのを思い出して頂いて。フフ

本人、グルグルするくせに、押さえ込もうとしてるのに…なぜか強気(笑
元々がジッと出来ない性分なんです。
だからね、想いを隠してるつもりでもポロポロと零れる…。

勇次はさすがに幼馴染なんで、そーいうとこよく分かってたし「勇次が一番!」もバレバレでしたっけ…。
北見くんは、佐倉が自分にそんな想い持ってるなんて「まさか」の世界ですから。
婚約者も居た人ですしね。自分も別れたとこだし。

おー。面白そうなドラマ。。。覚えておきます!!

おススメコミックも面白かったですかー。アレ、大好きな作品の一つです…(忘れてたけど
禁断なんですが、アレは私も許せる…(〃艸〃)同じ先生の893モノも良いですよ。
高宮と横瀬?をだぶらせて…(設定違うけど)
本来893モノはあまり好きじゃないんですが、作家さんによっては出たの全部買いますので(作家買い
堂本のR、リクエストがあってそこからチョイスしたワンシーン有りです(笑

名前、思いっきり間違ってました(滝汗)教えて頂きm(__)m

有難う御座いました☆

Re: NoTitle

鍵コメe様

自分の知らない処でなら、まだ「しょーがない」と思えるんですが(でも、ショックのはず
目の前で…それも、自分の部下!!の手引き(笑)
…となると、やはり心中穏やかではないでしょう。

「は?お前、何やってんだ?」←高梁の胸倉掴んで言いたかったであろうと…w

その高梁くんは、大好きな佐倉主任がモヤモヤしてるのも全く気付かず。
何で機嫌悪いのか、謎のままでも明るい(笑
そう、高梁くん…。北見くん「行く」なんて言ってないんだよ?知らないよ…(;・∀・)
そして主任を、社の女に取られるのは嫌だそうです…。深い意味は有りませんww
これもちょっとした独占欲?

高梁くん、気に入って頂けました?笑
明るい良い子なんですよー。和みキャラ的な感じです♪ご贔屓にww

有難う御座いました☆

Re: NoTitle

優様

佐倉さん、基本的にイケイケな人なんですよ…(性格が

そんな人がね、どれだけグルグルしたって、何か出てる(何がだ
隼もバレバレでしたので。秋也とかに(笑

さて、本当に合コンが実現するのか?
高梁くんが、一人で先走ってる段階です。。。
北見も佐倉も「行く」とまでは確約してませんww

※「俺も行こうかな」って、呟いただけ

有難う御座いました☆

NoTitle

「ちょっと……主任、酔ってます? 絡みすぎですよ」
高梁クン、社内だってば(苦笑)。

裏を返せば、それだけ佐倉主任がグイグイきてるってことなんでしょう~。
なんせ、北見君が絡んでるもんねっ♪
高梁クンにすれば、?? なんだろうけどま、そこは。。

さっきは佐倉さん。今度は北見君。 二人で高梁クンの事を話す機会は、あるのかなー?
そこ、チョット聞きたいかも(おばちゃんはヤジ馬です)。

あれ? 合コンながれそうなのーー?

Re: NoTitle

ますみ様

主任が、酔ってるのかと思う程の絡みようw

うん、高梁くんは普通に気づきませんよ…。
ちょっと仲が良すぎる男同士ってどこにでも居ますもんね。
で、友人たちにホ○ダチとか面白半分に言われる。

そういえば、冬澪の友人の孝輔と湊もそうでした(もち、ノンケの2人です)

うーん…2人で高梁の話は…無かったかな…(書き手が覚えてない 笑

有難う御座いました☆
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