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片想いのこじらせ方

片想いのこじらせ方 35

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佐倉が目を覚まして、天井を見つめる。
脳が覚醒してきて、慌てて顔を横に向けた。

そこには、ソファーの下でクッションに頭を乗せた北見が寝ていた。

「…………」

うわ……酔いつぶれて寝たんだ。

こんなのは、学生時代以来だったかな。

色々話をしている内に、眠気に襲われた。
少しだけ横になって帰ろうと思ったのに、寝てしまったのか。

携帯を探して時間を確認してみれば、夜中の二時過ぎ。

当然電車はもうない。
けど、タクシー拾って帰ろう。

佐倉は起き上がって、テーブルの上にあるグラスをキッチンに持って行く。
音をたてないようにそろり、と。

皿はもう、そのままにしておこう。

佐倉は北見が気持ち良さそうに寝ているのを起こしたくなかった。

鍵……。
帰るにしても、鍵閉めないとマズイよな。

佐倉が玄関の辺りを見てみると、シューズボックス上の籐の小さなカゴの中にキーがあった。

見つかってホッとしながら、少しだけの残念感。
見つからなければ、それを言い訳にしてココにいられたのにという気持ち……だろうか。

佐倉はソファーの横に置いていたコートを取りに戻る。

その時、北見が少しモソモソと動いた。
ギクッとして、思わず動きを止めて息まで止める。

北見の寝息が聞こえるまで、息を潜めて見下ろしていた。

デカいよな……こいつ。
ひょろっとして見えるけど、こういうヤツって結構筋肉ついてるんだよ。

……ってのは、男と寝て来た経験上だ。
北見の裸を直接見た訳じゃないから……俺の願望とも言える。

とか言いながら、俺……服越しに見てるんだよな。
胸板の厚みとか、腕の太さとかさ……。

この大きな体で、こいつは大事に……潰さないように女を抱くんだろう。

北見を見おろしながら、その喉仏が動くのが見えた。
さっきとは違うドキリ……。

純粋に、ヤらしい意味の。

佐倉はゆっくりと座り込み、北見を見つめる。

寝てる時はガキだな……デカいだけで。

一向に起きそうもなく、あまりにも邪気無く気持ち良さそうに寝ている姿にスケベ心が萎む。

結婚がダメになって、慰めてくれとか言っといて……呑気だよなぁ、お前。

佐倉はただ、寝顔を見つめる。
普段、こんなに遠慮なく見ることなんか無いから。
そう、普段は盗み見るようにしてるんだ。

ずっとこのまま見ていたいな……。

――まだ酒が残ってるみたいだ。

目は閉じてるけど、知ってる。
そう大きくないけど、一応は二重なんだ。
鼻筋はスッと通ってて、唇も薄くも厚くもなく。

整ってるんだけど、目立つ顔立ちじゃない。
どっちかというと、物凄く……地味。

背がデカいから目を引くけど、それが無ければ埋もれてるような男だ。

なのに。
……なんで、お前は。

俺の心に入ってくるんだろうな。


やっぱ、初恋の呪縛ってヤツかな。

遠くから見て、好みだ……なんて勝手に楽しんでいた頃とは違う。
親しくするようになってからは、簡単だった。
ゆっくりと、北見自身を好きになって行った。

ちょっと優しくて、ちょっと懐かれて――そんなくらいでだ。


突然。
佐倉の脳裏に、昔避けられたことが甦って来た。

ダメだ。

色々思い出してきた。

帰ろう……。

コートを持ったまま忘れ物はないかと一応は確認して、玄関に向かう。
靴を履いて、籐のカゴからキーを取り出して玄関を出た。

鍵を閉めポストに放り込み、そのまま廊下を歩いてエレベーターに乗った。

*

道が分からず携帯で大通りを探し、やっと捕まえたタクシーに乗り込みやっと一息。

自分の動揺ぶりに、手で顔を覆う。

何で突然、昔の痛みが甦るんだ。

あいつに、別に何を言われた訳でもない。

でも……。

零れそうな想いを必死で呑みこんでいたあの頃の気持ちを思い出して、佐倉は息を吐く。

今の北見への想いは、まだ始まったばかりで可愛いもんだ。
寝てる姿がガキっぽくて、スケベ心も簡単に萎んだ。



あの頃の俺は、あいつに触れたくて仕方なかったもんな。

苦しかったんだ……本当に。

もうすっかり遠のいていたはずの記憶が、胸に充満してくる。

息を思い切り吸い込み、ゆっくりと意識して吐き、気持ちを落ち着かせる。

俺は……なんであんなにも、富樫(トガシ)を好きだったんだろうか。

……何処にでもいるようなヤツだった。
人当りが良くて、でも別に人気者って程でもなくて、その他大勢の中にいるヤツだった。

何で惹かれるのか……そんなことばかり思っては、目で追ってたんだ。

……やめよう。

やっと北見への気持ちを認めたばかりなのに、もうコレかよ。

感傷って、怖いな。

……北見と少し、距離を置こうか。

いや、あいつ……無邪気に「遊んでくれ」なんて言ってたもんな。
俺、いいよなんて返事しちまったよ。

いきなり距離置くなんて、不自然だ。


「お客さん、ここら辺ですか?」

顔を上げて窓の外を見ると、もう近所だ。

「二つ目の信号を左折して下さい」

運転手に指示をして、自分のマンションの通りに出た処で降りた。


部屋に入って、電気をつけてソファーにドスンと座る。

動揺は収まったけど。
その動揺したこと自体に、ため息が出る。

落ち着け……。
北見とは、これからだって顔を合わせる。

どれだけ避けたって、一緒に組んで仕事をすることがあるんだ。

学生時代とは違う。
俺はもう、充分に大人だ。

もう……あの頃のように、バレたりしない。

佐倉は立ち上がって服を脱ぎ捨て、そのままベッドに向かう。
いつもの習慣のように携帯をベッドサイドに置いて、布団の中に入り込む。

寝よう。
まだ酒は残ってる。

寝て起きれば、きっと落ち着いてる。

そこで携帯のメール音が鳴った。

はっ……として、携帯を取る。

誰かなんか、見なくても分かる。

こんな真夜中にメールしてくるってことは、目が覚めたあいつしかいない。

佐倉は画面を確認して、プッと吹き出した。

――起きたら居ないから、置き去り感でいっぱいなんですけど。

……こういうとこが、いいんだよ。
別にユーモアのセンスがある訳でもないんだ。
本人は真面目半分で、冗談も半分。

佐倉は口元を綻ばせながら、メールを打つ。

――すまん。あまりにも、グーグー気持ちよさそうに寝てたもんで。鍵はポストに入れておいた。

そこから、北見の返信があって。
十分程メールのやり取りをして、おやすみ……と打って終わった。

佐倉は目を閉じ、普通に交わしたやり取りに少しばかりの満足感を得られた。


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~ Comment ~

NoTitle

kiri様。9月とはいえ、暑い日が続いていますが、体調はいかがですか?、ここ2,3日朝夕は少し涼しくなって、ホッと一息付いていますが、日中クーラーが離せない(笑)。さて、サクラちゃんの、淡い恋する気持ちが、とっても健気で、かわいくて、ぷっくり膨らんだ蕾のようです。いつ開くのかな?誰にも摘み取られることなく、綺麗に咲いてほしいです。そうか、そうか、サクラちゃん、昔、好きだった人に避けられて、心の傷が残っているんですね。異性を好きになるより、もっともっとリスクが、高いですものね(超高層ビル以上ですね?)。
私も北見さん、好きです。こんな男性が理想だなぁ。一緒にいると安心できて、ほっこりできて、気が付いたらいつも守られていた。っていうイメージがあるんです。~サクラちゃん、目が肥えてるぅ(笑)。それと、北見さんのメール。----起きたら居ないから、置き去り感でいっぱいなんですけど。って・・・ぷって、笑っちゃいました。kiri様いつもお話を届けて頂いて、有難うございます。では、まだまだ残暑厳しいので、お体を大切に~

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

Re: NoTitle

のあ様

はい、体調はどこも何も…普通ですwお気遣い、有難う~!

佐倉の北見への「片想い」のスタートで、まだまだ蕾ですね。
その前が、咲き切って(?)ぽっきり折れちゃったもんで…。今回は、バレないように…。

そう、ハイリスクですよ。超高層ビル!
学生の時とは違いますからね。自分の基本中の基本の生活の基盤である「仕事」が絡んでますから。
辞めて転職すれば済むとか、そーいう問題でもないし。
ココは慎重になって当然でしょう。自己保身が頭をもたげる、大人。
なので、どれだけ焦れ焦れしても、そう簡単に恋愛には行きません(苦笑

北見は私的にも、良い男ですよ。旦那にするには、上位かな?
黙々と仕事して、余計なことは言わないし、傍で見守ってくれる人。
いざとなったら、守ってくれる強さも持ってますもの。そーいう内面がだんだん佐倉に浸透して行ったんだろうな。。。

有難う御座いました☆

Re: タイトルなし

鍵コメm様

>あるいみ濃いよね? ←笑

二人の間が、少しずつ濃い空気になって行くかなー。

佐倉さんの、既にこじれてる「片想い」が、解れて行きますように…祈

>ふたりの微妙なふんいき?
>すっごく好き!!

わーい\(^o^)/嬉しい!

有難う御座いました☆

NoTitle

”ずっとこのまま見ていたいな……。

俺はもう、充分に大人だ。
もう……あの頃のように、バレたりしない。”

佐倉さん、そう思う事自体がアブナイんですよーー(ムフ腐)♪
遠慮なく鑑賞出来た北見君の寝顔と体、如何でしたかァ。
きっと何かあるたび思い出しますヨ。 レトリーバー的な大型犬のお腹を枕にして寝てる自分を・・。

でも、過去の傷は佐倉さんを相当頑なにしたんですね。
この壁は、過去最高に固く、高そうです。  
北見君、遠慮なく、邪心なくガンガン叩いてますけど(笑)。


教訓。酒は飲んでも呑まれるな。   か?

Re: NoTitle

ますみ様

自分で自分に言い聞かせることって、ありますよね。

今はまだ、可愛いモノ。
過去にこじらせてしまったことがあったので。

こっそり想うだけなら、楽しいんだ…と、友が申しておりましたw

有難う御座いました☆
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