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片想いのこじらせ方

片想いのこじらせ方 33

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「はーー、旨かった」

佐倉が腹を押さえながら、満足気に告げる。

「やっぱりちょっと残りましたね」
「もー限界……」
「酒飲むでしょう?その内また食べたくなるんですよ、これが」

北見が小皿に移してラップをする。

「一々、慣れてんな」
「そうかな……普通でしょ?」
「いや……俺さ、残ったら棄てるから」

北見が勿体ないとばかりの顔をした。

「俺の家は母親が大量に作って、小さい時は一瞬で無くなったりしてたんですけどね」

北見が言うには、大人になってくると食事時間もバラつきが出てきて、先に皿に分けてラップに取り分けておかないと無くなってしまうのだとか。

「なるほど。大家族も大変だな」
「もうね、食べ物でどれだけ血を見る喧嘩になるか」
「……マジかよ」

佐倉が驚くと、ニッと笑う。

「唐揚げ一個で、取った取らないの取っ組み合いの喧嘩ですよ」
「お前もしてたの?」
「いや、俺は止める方でした」

あぁ……やっぱりな。
何だか、そんな感じがする。

いつも飄々としている北見は、そうやって培われて行ったのだと思った。

「だから一人暮らしを始めて、自分のためだけに美味しいモノを作るっていうことが、どれだけ贅沢なんだって思って。最初の頃は結構レシピと睨めっこして作ったり」
「なるほどな……」

うん。何となく、分かるよ。

「結局、俺は……その一人の空間ってのを手に入れて、それに執着してる気がする」

北見が片付けながら話す言葉に、前もそんな話してたっけと思いだす。

それはそうと、飯食いながら話すって言ってたのは何だったんだ。

「慰めろって……」
「えぇ。彼女と別れました」

え……、嘘。

佐倉の目が見開くと、北見が嘘ではないと頷いた。

「そんなに驚かないで下さいよ」
「だ……だって、お前。落ち込んでるように見えなくてっ」

佐倉が思わず大きな声を上げると、目を伏せた。

「ですよね……。自分でも、そこはビックリしてます」

食器をシンクに持って行って皿を洗い出したから、佐倉も立ち上がる。

「手伝う」
「いいですよ」
「いい」

二人で並んで、キッチンで食器を洗って拭いて。
動いていないと落ち着かないのは、佐倉の中に物凄い複雑な感情が渦巻き始めたからだ。

どうしよう……とか。
だから、何がどうしようなんだと自分で思って。

そんなこと言って、また寄りを戻すんじゃないかとか。
そして……だから何だとか。

彼女と別れたからと言って、次に来るのはやはり女だ。
でも、それまでは「慰め」という大義名分で一緒に過ごす時間が少し増えるかもと期待する。

……喜ぶべきか。

いや、よくない。

一緒に過ごせば、更に惹かれてしまいそうだ。

現にこうして一人になった北見が隣に居て、一緒にキッチンに並んで片付けをしてることに……心が震えるくらいに、嬉しい。

「佐倉さん?」

皿を拭きながらボーっと考えていると、名前を呼ばれた。

「え?」
「そんなに必死になって拭かなくても」

笑いながら佐倉が拭き終った皿を小さな食器棚にしまっていく。

「あ……いや。……彼女と別れたってのが、結構驚きで」

これは本当だ。

「もう、何処かで予感はしてたんです。だからかな……ホッとしてる部分もあって。酷いですよね」

目を伏せて、唇を噛んでから佐倉を見た。

「お前……そこに落ち込んでんのか?」
「あ……あ~……そうですね。予想より落ち込まない自分に、落ち込んでるような」
「俺なんか、奈落の底レベルまで行ったけどな」

行ったけど、ホッともしてた。

同じだろう……皆。

俺と、梓も。
北見と、彼女も。

落ち込みと共に、終わったことに安堵する気持ち。

「多分、彼女もホッとした部分あるよ」
「だったら良いな……」

テーブルの上を布巾で拭いて、氷と水を用意してソファーの前に置いた。

「佐倉さん。酒、付き合って下さい」
「お……いいぜ」

佐倉もソファーに座って、北見の作ってくれた焼酎のグラスを持つ。

「飯食わせてもらったし、何でも聞いてやる」

(俺が……お前の慰めになるのなら)

最後は心で呟き、グラスを当てて少し上げてみせた。

北見はグラスの氷を見おろすようにして顔を伏せ、揺すって氷の音をさせる。

「私を本当の意味で好きじゃないんだ……なんて言われました」

その言葉が、佐倉の胸に刺さる。

「俺も同じこと言われたよ」
「好きだって言い返したんだけど、違うって断言されちゃって」

そうか。
言い返せただけ良いだろ。
俺なんか、黙り込んだもんな。


「北見……女って、すぐに本当に好きかどうか聞いて来るけどさ、本当に好きって何なのか俺にだって未だにわからないよ」
「実感こもってますね」
「茶化すな」
「いや佐倉さんモテるし。俺の課の女性陣にも、ファンいますよ」

それには、ふっと笑みを零しただけで答えなかった。
モテたって、欲しいものが手に入らないなら意味がない。
そして欲しいモノに手を伸ばす気もないのだから、始末が悪い。

欲しいと足掻けるだけの気持ちがあれば、また違うのだろうけど。
俺は、手を伸ばしたくないんだ。

見てるだけで……眺めてるだけで、いい。
但し、バレないように……な。

「まぁ、怖がってる子も同じくらいいますけど」
「だろうな。俺、女だからって優しくしてるような覚えはないし」

男でも女でも、関係ない。
仕事に甘いヤツは厳しく言うのが当然だろ。

「俺の話はいいんだよ。お前の話だろ」
「あ、そっか」

北見がやっとグラスに口を付け、酒を飲んでから話だす。

婿養子が絶対条件で、それが無理なら一緒にはなれないと言われたことを。

「それって向こうもおかしいだろ? 自分で本気で好きなのかと聞いておいて、条件がダメなら別れるって」

佐倉が言えば、北見は初めて気づいたような顔をする。

バカかよ。
何で女ってだけで、言いたい放題言われてんだ。

……なんて言ったって、こういう時男はダメなんだよな。
俺も、言われっぱなしだった。

「なぜダメなのか、聞かれて。苗字が変わるとか、仕事先でからかわれるのか、友達に笑われるのか、家族の反対か……」

指を一本ずつ折りながら、思い出すように言う。

「けど、どれも違って。単純に、嫌なんだって言いました」
「ストレートだなぁ」
「それしか言い様がなくて」

苦い顔で無理に笑みを作る北見の顔に、ドキリとしてしまう。
こんな時なのに……。

好きな表情をされて、佐倉は誤魔化すように酒を口に含んだ。

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~ Comment ~

北見くんが彼女と別れたって聞いて率直にまず嬉しいって感じちゃうのは当然ですよね。好きな相手は決して自分のものにはならない、でも他人のものになってしまうのはなんだかイヤだ。相手の幸せを考えたら、とかそんなのは取り敢えず置いといてまずは嬉しい。
手を伸ばすつもりは無いのに遠ざける理由が無くなっていく。見てるだけで満足だと思っていてもね。
佐倉さん、どんどんグルグルしちゃうんですねー。そうとは知らず北見くんの直球な攻撃(本人自覚なし)に耐えらるのかぁーーー!
Rなしでもドキドキが伝わってきます!キュンキュンっていうか佐倉さん可愛すぎです。
じわじわーっと進展していくんですね→願望。

Re: タイトルなし

おみち様

うん、彼女には悪いけど…フリーになったことに、喜びの感情が出てくるのはしょーがない。
喜んで、でもそれはずっとじゃないってことも分かって、けどやっぱり嬉しい…。
しかし、困ってもいる(笑)もっと好きになってしまったら、どーしよーか。。。

もうグルグルして、お皿拭き拭きし過ぎましたw

北見くんは、今はそんなこと全く気付いておりません故、余計にグイグイと遠慮なく。
佐倉さん、その度にまたグルグル…笑 恋するアラサー男子、一名。
ドキドキしてる姿もですが、時々ヤサグレますので、それも温かく見ててあげて下さいねー。

有難う御座いました☆

ぷはーっ!

kiriさま。

> 「はーー、旨かった」 佐倉が腹を押さえながら、満足気に告げる。

私もー!私も、最後のサクラちゃんが好きな北見君の表情で腹一杯ーー!
どきっ!どきっっ!
『別れた』告白に、皿磨き過ぎなサクラちゃんにへにゃへにゃと笑、笑
条件クリア出来なくて別れた変さに指摘されて初めて気付いたまあまあマヌケ顔(だったと想像)の北見くんに残念な溜め息とか

面白いですねー。
明日もどきっっ!!なこと、いっぱいありますかね?!

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Re: ぷはーっ!

優様

佐倉、動揺し過ぎ…っww
ここもちょっと「?」に、ならないかえ?北見くんよ…(鈍感
腐女子並のアンテナ…、こじつけ…、etc、があれば!!って、無理だよね。
普通のノンケリーマンだし(笑

男女間の軋轢なんてね、ほんと自分勝手オンパレードですよ(爆
自分は正義なんだよね…。ハタからみたら「そこ、変だろ」でもww

明日も、ドキッ!あったかな…。
私的には地味だな…と思いつつ書いてるんで、謎(。・w・。 )
あったらいいなー。←他力本願

有難う御座いました☆

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Re: タイトルなし

鍵コメs様

あれ?私、言いました?笑

そうですー。
ありゃりゃとう(風太?

いえいえ、行きませんよ。そんなもの…。
いつも突然思い立って!なんですw

何かね、リーマン2人。いい年してんですが、女からすると…間抜けな部分ありますよね。
仕事出来るのにさ!笑
アホ可愛いと思ってもらえて、良かった(*゚ー゚*)

有難う御座いました☆

Re: NoTitle

鍵コメe様

あはは。特攻話になると、もう愛が溢れております…。(嬉
そう、勇次も隼に片想いしてたんでしたっけ。で、曲が出来た。
実は両想いだったんですけどね、こっちはw

>そうですよ!アラサーリーマン。保身があって何が悪い!
有難う御座いますー。
好きだったら、どうなってもいい!と思って突き進む…。なんてのも有りですが。
女性はきっとそういうのがトキメクんだとも思ってるんですけども。

それが男らしいとは私は思わないので…。
決断するまでは、やはり男だってグルグルしますよね。
ちょっと抜けてて、カッコ悪いとこもあって、腰引けたりもして(笑
そういう情けない部分の中に、男らしいとこも見え隠れするのが好きです←

地味だ地味だと思いながらも、好きだって言って下さる方も居て、喜んでる書き手です…♥

有難う御座いました☆

Re: もう…

鍵コメh様

>最後の1行「口に含んだ」が目に入った瞬間←あはは(。・w・。 ) ププッ

ポチのために強制スクロールして頂いて、有難う~~~!
そりゃ最後のそこだけ目に入れば…ねぇ。腐女子だったら、当然です!笑

そう。佐倉さん、もう心が凄いことになりながらお皿拭き拭き。
でも、北見くんは、まーーったく気付かない。まぁ、そりゃそうなんだけど。
北見が敏感な人だったら、佐倉さん片想い続行できないよね(笑

あー。中/村 中さんの歌…。うん、そんな感じですね…。
佐倉さんも、強がってるんじゃなくて本当に片想いでイイんですよ。
恋愛なんて、成就しなきゃ意味がないって訳じゃないと思うので。
でもBLなので…そこは、ねぇ…(´艸`*)

あ!寛末&松岡←ビジュアル、結構当たってますよ(私の中での)
あとは、コメ欄にも出て来た 小野田×出口(ヨネダ先生)電車のシーンとか結構かぶってますww
大御所先生の絵で何を言ってんだかですが、お許しをー!

あの本は、地雷の方も居ます…(ゴメン、言うの忘れてた)でも、私はこれについてはOK!!なんです♪
え?私のBL本の写メ?本棚に入らないで、ほぼ紙袋に入れっぱなしです。←
なので、また同じ本買っちゃうことがよくある。ahoです…。

有難う御座いました☆

一区切り。

仕事でも何でも、句読点が付いていったん終了になるとホッとします。

ましてや自分の一生の話。
迷うしストレスにもなるし、マリッジブルーなんてよく聞くし。
男性だってソコは変わらない。・・・と思う。

傷ついた度合いは違うけどみんなどこかで「終わった」と思ってるだろうなあ。
ちょっと心が軽くなってるだろうなあ。
そして。    腐腐腐
キッチンに並ぶ後ろ姿に萌え~。
私服の男子が仲良く、とはいえこんな近距離、大人ではなかなか無いですもん♪
佐倉さんの行為だってしばらくは’慰めて’やってる事だから、ちっとも不思議じゃない~~~❤


お兄さん、お義姉さんっ。また風太くんをよろしくお願いしまーす。きちゃみ、いつでもオッケーですからっ(笑)。


佐倉さんは、懐中電灯持って、迷路を探検し始めたあたり?

Re: 一区切り。

ますみ様

人生に、何回も訪れる節目。受験や進学、就職、そして結婚etc…。

この結婚がわりと大きなポイントですよね。その年代の彼ら。
恋愛だけじゃなく、仕事だって部下や後輩が出来て、上からも色々言われるし…。
怒られるだけで良かった新人の頃とは違うモノが肩に乗っかって来る。

その年代を、ちょっと書きたかったので…。BLファンタジーから、少々遠のいております故…。
すぐ「恋愛」に行かないと焦れるの分かってるんですけどねー。
書いてる方は焦らしのつもり一切無し(笑

ゆっくり行きます。彼らは、恋愛だけしてりゃいいって訳じゃないので。
いつもBLカテに居ていいのか?と思いつつ、最後まで行きますよー。

有難う御座いました☆
管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

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