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片想いのこじらせ方

片想いのこじらせ方 13

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「帰れますか?」

ボーっと北見を見上げていると、少し屈むように顔を近づけてきた。

ドキリ……としてしまうのは、酔っているせいだ。

「あ。ダイジョブ……うん」
「まぁ、女の子じゃないから。襲われたりはないだろうけど」

出たよ、ノンケの無神経。

「男だって襲われることがないとは言えないんだぞ」

ついムッとしてそんなことを口走ると、北見の目が丸くなってしまった。

「送ります」

真面目な顔になって、腕を取られた。

「い、いやいや。冗談だって」
「いやダメです。酔った佐倉さん、何かヤバイし。万が一のことがあったら、俺が夢見悪い」

強引に腕を引っ張られ、北見は乗り越し運賃を払って改札を強引に抜けた。

呆然としていると、北見がニッコリとしてこっちを見る。

……バカだろ。


佐倉は気を取り直し、すぐにタクシー乗り場に視線を移す。
まだ終電はギリギリ終わってないから、そう並んではいない。

「北見。お前、タクシーで帰れ」
「じゃ、タクシーで一緒に佐倉さんの自宅まで周りますか?」
「俺の家は歩いて五分だ」
「さすがだな~。俺なんか、十分は歩きますよ」

何だこの呑気な会話。

「いいから、帰れって。金は次の時に、飯と酒奢るってことで」
「あ、それイイな」

嬉しそうな北見に腹が立つ。

「いいから、帰れよ」
「何でですか? 送りますよ」
「お、俺は……女じゃない」
「わかってます。けど、佐倉さん男でも危ない気がする」

どういう意味だ?

「ふざけんなっ」

つい声を荒げてしまい、北見の顔が驚いたようになった。
自分が言った言葉が元だっていうのに。

「あ、俺……そういうつもりじゃなくて。別に女みたいだとか言ってるんじゃないで。どう見ても男だし」

分かってるよ……。
お前は、そういう下らなく人を揶揄するような奴じゃない。

だから、困るんだよ。
言うことが全部素直で、お前が言う言葉で心が上がったり下がったり……バカは俺だよ。

「違う……。頼むから、俺を甘やかすな」
「……は?」

今度は更に目を丸めた。

「あーーーもうっ。……俺、甘やかされると弱いんだよ。調子に乗るし……とにかく、甘やかすな」
「甘やかしてますかね……」

ほら見ろ。
自覚ないだろ?
お前はそうやって、彼女も甘やかしてんだろ?

くそっ……。

「けど、俺がそうしたいから。佐倉さんには特に」

ニッと笑う北見に、またときめく。

あぁ……どうしてくれようか。

今の程良い距離が心地良いのに。
好意と友情の狭間の、この距離が。

なのにノンケのお前は、ズケズケと踏み込んで来るときた。

その時、終電の案内が駅から流れてきた。

「もう、電車で帰れ!!」

北見の背中を押す。

「え、俺今乗り越し運賃払って……」
「いいから!!間に合う内に帰れって」

強引に背中を押して駅に引き戻し、さっさと切符を買って北見に手渡した。

「有難うな……。嬉しかった」
「あ……、はい」

何か言いたげだったけど、またアナウンスが流れた。

「早く行けよ。もう、酔いも醒めたから」
「わかりました。家についたら、連絡下さいね」

だから、俺は女じゃねぇんだよ。

「……わかった」
「じゃ、お疲れ様です」

駅のホームに電車が到着するという音が鳴り、さすがの北見も手を挙げて去って行った。

その後姿を見ながら、佐倉は頭を掻く。

何なの……あいつ。

わかってる。ただの同僚にだって、優しいんだ。

期待するな……。

ってか、どこにも期待なんかしようがないだろ。
男同士だって、仲の良い者同士なら首を傾げる程のことじゃない。

それを一々……何かの意味を探りたくなる自分に呆れる。

佐倉は電車が走り去るまで、ブツブツと心の中で呟いて、クルリと踵を返しドシドシと歩いて家に向かった。

***

北見は電車に乗り込み、自分の降りる駅の改札に近い車両へと歩いて行く。
窓際に立ち、佐倉の家の周りの景色はこんなのか……と眺めながら。

何だろう、あの人。

仕事も出来るし、厳しいことでも有名だし。
会社では、ハッキリと煙たがっている奴もいる。
俺だって、最初はあまり良い印象は無かった。

……甘やかすな、だって。

その言葉が耳に残っている。

あの顔……困ったような、泣きそうな顔。
……可愛いかったんだけど。

普段のクールさとのギャップ。

男だけど、可愛い……と思ってしまったんだ。
それに酔っ払って、フラフラのあの人を放っておけなかった。

女じゃないのに、悪かったよな。
ちょっと怒ってたし。

そんなつもりで言ったんじゃないんだけどなぁ……。

仕事中の佐倉とは違う面を時折、チラリと見る。
上手い言葉が見つからないけど、何故か構いたくなるような……そういう感じ。

変に取られて気持ち悪がられるのは、嫌だな。
仕事でも組むことがあるし、気味悪がられたらショックだ。

ちゃんと謝ろう。

円滑に、円滑に。
そういう方向へ思考が行く自分に、北見は苦い笑みが口元に浮かぶ。

――合わせてる方が、楽。
やっぱりユキ兄に言われたことが、的を射てる。

けど、これは今更治るものじゃなし。
そう悪いことでもないと思うんだけどな……。

自分の駅のホームが見えて来て、戸口から離れるように体を移動したときに携帯が震えた。

ポケットから取り出して見れば、佐倉だ。

「着いた」

短いメールに口元が綻ぶ。

駅に降り立ち改札を抜けて、携帯を鳴らしてみた。

『はい、佐倉』
「酔いは?」
『水、がぶ飲みした』

つっけんどんな言い方に、やっぱり気を悪くさせたかと思う。

「女扱いみたいなこと言って、すいませんでした」
『何でお前が謝るんだよ』
「佐倉さんが怒ってるような気がして」

だって、明らかに口調が変だ。

『怒ってなんかない。……有難うって思ってるよ』
「じゃ、俺が家に着くまで相手してください」

『……十分?』
少しの間の後、まるで伺うように聞いて来る。

「そうです」
『……いいよ』

何だろう……。
反応が一々、可愛く思えてしまう。

仕事中の佐倉はポンポンと会話が飛んで突っ込んでくるし、余裕があってこっちが巻き込まれて行くのに。
時々だ……時々こういう、戸惑うような反応をするんだ。


「佐倉さん……俺ね、養子の件は断ります」

静かな夜の道を歩きながら、そんなことを話す。

『……そうか。彼女は?』
「直接会って話します」
『そうだよな。ちゃんと話しないと』
「はい。明日会うんで頑張れって言って下さい」

佐倉の息遣いが電話越しに聞こえた。

『頑張れ』
「はい、頑張ります」


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~ Comment ~

佐倉くん、葛藤してますね。踏み込んでしまえば心地よい関係が崩れてしまう。ふつうの男女なら振られたとても元の上司と部下の関係に戻ることも出来るだろうけど、男同士の場合、一歩間違えば耐え難い拒絶を受けるかもしれない。そうなったら耐えられない。
好きな気持ちが大きくなるほど
その時のキズは深い。

北見君の「相手に合わせるのが楽」っての分かります。私は三人兄弟の末っ子として育ったので家族のなかで一番年下。小さな頃から人の言うこととかあまり疑ったり深読みしたりせずに素直に「ウンウン」って育ちました。確かに楽で心地よいんです。でも反面、優柔不断っていうか自分で物事を決定していくのがあまり得意ではないんです。
北見君は末っ子という訳じゃないけど、なんとなく気持ちわかります。
これからの心の変化に期待ですっ!

Re: タイトルなし

おみち様

佐倉くんね、このままがイイんですよ…本気で。
ちょっと好みで、たま~に一緒にご飯とかお酒とか楽しむ相手。好意あるけど、まだ隠せる。
バイであることも開き直ってるし、隠して上手く生きる自信だってあるのに。

なのに!困るんです!!あんまり近づいて来られたら、本当に「好き」になっちゃう(>_<)
本人にしたら、コレ大変なことだもん。

なのに北見、ずんずんと寄ってくる(笑)全くの、無自覚だからもうどうしようもない…。
これが面白がってとかそういう性格のヒネたヤツなら、佐倉もまた対応のしようがあるかもですが…。とにかく「素」で向かってくるもんだから。お気の毒に…(BLだしね

そう、相手に合わせる方が楽。うん、優柔不断ってのも分かる。今の北見がまさにそうです。
彼の場合、すぐ上が「姉」であって色々面倒を見てくれたのも大きいんですよね。
その点、佐倉は基本的にどんどん進んで行くタイプなんですが…恋愛だけは、全くそれが出来ない(苦笑

有難う御座いました☆

NoTitle

お久しぶりになってしまいました。。覚えていただけているでしょうか。
こちらのお話では初コメです。
いやーいいですね!このジレジレ感!
恋のカタマリは、やっぱりツラいシーンも多かったので。。
今回はじっくりジレジレを楽しめます!
私は結構好きです♪
>好意と友情の狭間の、この距離が
あー、わかる!そこで留まればねー
そこが一番楽しいとこだし!
なんか佐倉くん、隼みたいにグルグルしそうだなー。
しょうがないよねーバイだし。
ゲイよりバイの方が楽かな?って思ってたけど、そうでもないかもですね。
選択肢があることは、両刃の刃かも、、
kiriさんの小説はいろいろ考えさせられます。。
ありがとうございます!

キュンキュン

kiri様
このなんともいえない距離感が萌えます。会話が心地よいのですよね。相手の一言一言に意味を探して、浮かれたり我に返ったり。佐倉氏の事を可愛いと思う北見くんは、まだ無自覚だけれども読者としてはこの会話のキャッチボールが楽しいです。徐々に自覚していく北見くんと保守的な佐倉氏の絡みがキャー(o≧∇≦)oです。

Re: NoTitle

hiro 様

お久しぶりです。覚えておりますともー!
読んでくれてるんですね…(´A`*)・゚。

はい。もう今回は悪いヤツは出さないようにしようとww
結果、パンチはあまり無いのでエンタメ性も薄いですが、こういうのが好みの方もいらっしゃるだろうな…と。

もうゆっくりとジレジレしながら、読んで下さい(笑
ハラハラするようなのは無いハズなので「ふ~ん」って感じで読めると思います(*゚ー゚*)

>ゲイよりバイの方が楽かな?って思ってたけど、そうでもないかもですね。
やはり普通に生きる(結婚や子供)道が有るんですもんね。
二手に枝分かれした道の前に立って「選ぶ」ということが…コレがグルグルせずにいられようか!ですwwそんな感じで、彼らの気持ちに沿ってあげてくれたら嬉しいです!

有難う御座いました☆

Re: キュンキュン

美夕様

そう、佐倉も今くらいの距離感が良いんです。
そりゃ、好き(まだそこまで行ってないけど)だったら、相思相愛を求めるのが当たり前なんですけどね。佐倉だって、やっぱり期待はするでしょう…。
しかし!その先は?もうアラサーになれば、色々グルグルしますよね…。しない方がおかしいもん。

今がちょうどイイのは、読んでる側も…かもしれませんが(汗)よろしくです!

有難う御座いました☆

NoTitle

最後の方でう~~むー、となってしまいました。
だってねー、ノン気・彼女付きだってことで 「ここまで」 って線を引いてた佐倉さんなんですよ(ちょっと違う?)。
そのハードルの一つが消えようとしている・・・。見方によっては自分が後押ししたみたいになって。

今回、はからずもお互いの気持ちが一部曝されたのですが、佐倉さんの方がキツかったかなあ。
ドシドシ歩いて・・、が可愛かった♡


北見君。 佐倉さんの゜可愛い’が増えていくの楽しい? 
時々、の戸惑いがあれ? あれれ?になっていくんだよーー(笑)。

そして、一歩を踏み出す北見君。
もしかして人生初の意見表明と、楽な方に逃げない(流されない?)経験するのかも。
頑張れー。

Re: NoTitle

ますみ 様

まだ「別れる」とは言ってないんですけどね。
養子を断ることによって……いずれは、そうなるかもしれない。

佐倉は北見がもし彼女と別れても、また次に彼女が出来る可能性も当然ある(>_<)
そっちの方が複雑かもしんないですよね…。

佐倉にとっての恋は「眺めて楽しむ」モノだって、固まっています。タイトルは、そういう意味でw

でなきゃ、とっくに一回くらい男と恋愛してそうだもんね。
頑固です…。心で色々グルグルしていても!固定観念ってのは、強靭です…。

有難う御座いました☆
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