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恋のカタマリ

恋のカタマリ-138

 ←恋のカタマリ-137 →恋のカタマリ-139
拓篤は水埜と一緒に食事をしながら、ワインを飲む。
フランスでは、仕事と学校の両立でこんな風にゆっくりと食事を楽しむことも無かった。

「息切れしてない?」

水埜に聞かれ、首を振る。

毎日全力で走れたのは、こっちに来る前のあの日本での様々なことがあったからだと今は思える。
でなきゃ、この現実の厳しさの前に逃げたくなったかもしれない。

何も無ければ、俺は今も……多治見の坊ちゃんのままだった。


フランス行きの便に乗り、日本を飛び立った後。

『ここからは、仕事に集中しなさい』
そう言って目を閉じた水埜に倣うように、自分も目を閉じた。

そこに浮かぶ堂本の顔を、もう振り払うこともしなくていいのだと思えた。

別れたことが、俺の心を飛ばせてくれた。

恋のカタマリと言った堂本の言葉が、何故か妙に重い気持ちを取り払った。
足掻いて無理矢理忘れるなんてしなくても、いいんじゃないかと。

俺達は別れたけれど、好きな気持ちが同時に消えるなんてことはないのだ。

会わなければ、自然と薄まって行くのか。
そんなことも経験が無いから、分からなかった。

でも……会わなくても、声を聞かなくても、好きな気持ちは薄まらないのだと知った。

この感情は苦しいというモノじゃない。
切なさと共に、愛おしむ……そんな気持ち。


料理が運ばれて来た。

グリーンサラダ、オードブル、シコンのグラタン、カルボナード・フラマンド。
ベルギーの料理は、隣国のフランスからの影響が大きくてバターやクリームを使った料理が多い。

トマト鍋……食べたいな。

グラタンを食べながら、拓篤は思う。

こっちでも、材料を揃えれば作れるとは思うけど。
ダシなどはやはり手に入り難いし、堂本の作ったのが食べたい。


「また、思い出してる」

水埜に言われて顔を上げると、目が合った。

「そんなに誰かを想えるって、どういう気持ちなんだろう」
「どういう……って」

水埜が奔放な人だと知ったのは、バイトして数か月も経つと分かって来た。
いや……奔放と言うのとも違う。
性に対する垣根が低いのだ。

見た目のせいで、言い寄られることは多いようだけど。

水埜とは、あの時の一度だけだ。
それ以来、一切何も無い。


「水埜さんは、誰かを本気で好きになったこと無いんですか?」
「その質問、聞き飽きたな」
「え……」
「どうやら僕は、欠陥人間らしい」

ワインを眺めて、グラスを口につけて拓篤を見る。

「期待に背くようだけど。過去に酷い恋愛をしたとか、誰かを深く想って忘れられないとか。そういうのも、無いから」

その顔は嘘をついているようには思えない。

「皆ね、ロマンを求めるんだ。本当は愛を欲しがってるんじゃないの?って。いつだって、何処かに理由や意味を求める」

水埜が悪戯っぽく、クスリと笑う。


「居るんだよ……。そういう人間だって。世界中には、色んな人間がいるんだ。人種も宗教も、思想も多種多様。その中にはたくさんの少数派が居る」

水埜の言うことは、日本を出た今ならよく分かる。
文化や習慣の違い。
異国で暮らすと言うことは、それをある部分受け入れて行くことから始まる。

「誰も彼もが、恋をしてる訳じゃない」
「まだ出合ってないだけかも」

拓篤がそう言えば、またクスッと笑って首を振る。

「皆そう言う。けど、寂しくないんだよ……全然。強がりでも何でもないんだ。そして、そんな自分を哀れだとも思わない」

それは分かるんだ。
水埜はとても自然体で、強がるような人じゃない。

「むしろ、恋愛で右往左往してる人達を大変だなぁ……って傍観してる」

確かに、恋愛なんて全てが良い感情とは言えないだろう。
愛情が絡むからこその憎しみだって生まれて来る。

「これもマイノリティーなんだよ。人口の一パーセントって言われてる」
「え……?」
「大学時代に付き合ってた奴がそっち系を専攻してて、言われた。どうやら僕はそこに属する人間らしい」
「そうなんですか……」
「正式に診断を受けた訳じゃないけどね。恋してる人をバカにもしないけど、羨ましいとも思わない。けど、普通に好き嫌いもあるし、SEXだって気分によってする。理由は単純に、気持ち良いから嫌いじゃない行為」

俺も、そんな風に思っていた頃がある。
だから、否定はしない。

「恋愛感情というモノだけが欠落してるんだね、きっと」

サラダをフォークで突きながら、淡々と。

「ある女性に言われたよ。可哀想な人ね……って。僕はとても不思議だったんだ。どうして可哀想なんだろうって。本当に、不思議だった」

水埜の表情は、何故そんなことを言われたのか今も分からないようだ。

「水埜さんは可哀想なんかじゃありません」

だって本当に、そう思わない。

「拓篤も気付いてるだろ?僕がちょっと変だって」

そう言って、顔を上げた水埜の目は真剣だった。

「僕の作品は、全てが冷たい」

あ……。
それは感じていた。

温かみのあるモノばかりが求められる世界ではない。
野に咲く花ではないのだ。
アートの世界じゃ何より必要なのは、個性。

「これでも母を敬う気持ちもあるし、友人を大事にも思ってる。君のこともね。人に対するそういう愛情は、ちゃんと感じることが出来る」

にっこりと笑う水埜に、拓篤も微笑んだ。

幸せというモノは、個人的な場所にある。

恋愛という場所だけが抜け落ちていることが可哀想だなんて……それも偏見なのだろう。
皆、何処かに欠陥を持っているし、偏見だって持っている。
それが強いか弱いかで、気質や個性に繋がっているのかもしれない。



「ねぇ、拓篤。何で、繋がらない携帯をいつもポケットに入れてるの?」
「え?」

今度は、いきなりそんなことを言ってくる。
水埜はいつも話がポンと飛ぶのだ。もう、慣れっこだけど。

「時々、携帯で写真みたいなの眺めてるの知ってる。どんな男?」

あぁ……感づかれてたのか。

「店にも来たことありますよ」
「ふ~ん。見せて」
「今まで興味も無かったのに?」
「うん、急に興味が出た」

子供のようになる水埜にも慣れてる。
拓篤は携帯のフォルダーを開けて、堂本の写真を見せた。

「わ~。いい男だね」
「はい」


――俺のヒーローなんです。

心でそう呟く。


「ひまわり」


何でも花に例える水埜。

「大きくて、堂々としていて、目を惹く……そんなイメージ」

きっと頭の中は、堂本のイメージで花のアレンジメントをしてる。

ひまわり……か。

大きくて。
堂々としていて。
目を惹く、花。


太陽に向かって、正面から光を浴びて咲く花。


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~ Comment ~

kiriさま

う~ん、ひまわり=ライオン!!

うまいなぁと思いました!!ww


今日はの私の誕生日なので、家族で食事に外出中です。
旦那も3月生まれなので、2人分まとめてですが(*^_^*)

また後でお邪魔させてください~!!

誰のーためにー咲いたのー

それはーあなたのためよー♪
…はぁ、昭和だ。ε~( ̄、 ̄;)ゞフー

水埜さんはアセクシャルか~。
アセクシャルだからと悩まなくても、自分の作品については悩んだりしたんかな。
でも、ま、自分は自分ってスタンスみたいだし、納得してるんだろうなあ。

> 幸せというモノは、個人的な場所にある。
ホントにそうですねー。良い言葉だわ。(*゚ー゚)メモシテオコウ♪

> 正面から光を浴びて咲く花。
拓篤にとってもひまわりになったかな。
裏側へ足を踏み入れたことのある自分と違って、表で悪いヤツを捕まえるヒーローですもんね。
母をイメージした百合、堂本はひまわり、好きな花が増えてくね~(*'-'*)ウフ♪


~本日の『流涎の館』会報

●ミスター・ガチムチマッチョ
http://mansexfashion.tumblr.com/post/114758179390/photographer-shai-borochov-model-thiago
http://i4caratmind77.tumblr.com/tagged/zeke-samples
●↑の後の清涼剤ww>http://jersum.tumblr.com/post/109110760779/never-say-never-follow
や、どっちも好きですけど(・・。)ゞ

●壊れても使い道はある>https://twitter.com/ik931/status/580570998711455744
●野菜で北斎>https://twitter.com/Copy__writing/status/581280677045215233
●美アンとしか思えない>http://www.moae.jp/comic/2dk
面白い漫画です。


では、明日~┏○))ペコ

Re: タイトルなし

みゃお様

あ。お誕生日!!おめでとうございます(*´▽`*)
旦那様と同じ月なら、一辺にw
家族でのお食事、楽しんできて下さい♪

堂本ライオンは、一人で拓篤を想いながら、トマト鍋かな(哀愁~

有難う御座いました☆

Re: 誰のーためにー咲いたのー

トーヤ様

昭和臭は、歌が出ると香りますね…w

Aセクにも色々と定義があるようです。なので、あえて名前は出しておりません…。
人によって凄く違いがあるようですしね。
同性愛よりも、更にマイノリティーであるのでしょう。

うん。悩んではいないようです。
自分の仕事にプライドもあって「冷たい花」という、個性も有る。
温かいモノばかりを求めると思われがちですが、冷たさの中にも人の心を打つモノがあるのがアート。

拓篤のヒーローは、水埜には「ひまわり」に見えた。
でも、拓篤も納得してるようです(´∀`)

ガチムチ→ゲイ 清涼剤→BL って感じですね…w これも偏見かな。

わ…壊れたiPhone…怖い!!

有難う御座いました☆

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

Re: 微妙ですが。。

鍵コメm様

うん、イメージは人それぞれなので、何でもOKです(*゚ー゚*)
そうやってイメージを持ってくれることが、私は嬉しいんですよね~。

ひまわりは、誰もが知っている花ww
名前だけで、パッと映像が浮かぶような…。
彼らはフローリストなので、花でアートを作る…という観点で見てるのもあるかも?
お話が始まった時に、既に堂本を「ひまわり」と言ってくれた方もいて、それも嬉しかった。

泰山木。調べてみました。綺麗ですね~♪
うん、何となく分かります…!!一億年も形を変えていない …ってとこも、イイなぁ‥。
堂本も、きっと形を変えないんだろうな。緩いくせに、意外と頑固だしw

有難う御座いました☆

こっそり出戻ってみる[壁]_・。)

あ、酒は入ってませんよ?

ほんと、ゲイとBLですね。
ゲイのかた(決まったわけではないw)、ムッキムキでガッチガチでバッチこーいって感じ。
迫力ありますよねえ。
どっちも見るのは好きだけど、近くにいたら引いてしまうかも…(((^^;

kiriさん、コメ欄お借りします。m(_)m
先程ういちろさんちにも書き込んできたのですが、コチラでもお祝いを。

みゃおさん、ハピバースデー♪
こんな動画を見つけたので、いつも楽しませていただいてるご子息に是非。
☆LEGOで作った工場>http://skaihahiroi.blog.fc2.com/blog-entry-1036.html

他にも動画がツベにありまして、それをボーっと見入ってたらこんな時間になってしまいました。
目がショボショボ。

では、お休みなさいませ。

NoTitle

あらまあ拓篤クン、やっとのんびりですか。
フランスでは休む間もなく詰め込んでいたんだ。え・・ 観光は、出来た?

ベルギーで初めて振りかえる時間がとれたようで、堂本さんとの恋をゆっくり
噛みしめてるのかなあ。
日本を立つ時のぐしゃぐしゃになってた心が静まってきて、’恋のカタマリ’が水底に積ってきている感じなのかしら。

そして水埜さん、そうだったのかー。
多数派がいるのと同じくらい少数派がいる。それをどこまで受け入れるのかも個人の問題なんだ。
でも堂本さんには興味が出た。 あ、拓篤の感情に気を引かれた方か。


堂本さーん、遠い国で向日葵になってますよー! トマト鍋も恋しがられてます―。
ちゃんと心に根付いてますねっ♫

Re: こっそり出戻ってみる[壁]_・。)

トーヤ様

コミックでもね、ゲイバーとか良く出てくるんですよ。
そこのママさんて、大抵ガチムチさんでオネェ言葉で出てくるのが好き♥
でもきっと背景には色々あったんだろうな…と妄想して楽しんでおりますw

お休みなさい~!

Re: NoTitle

ますみ様

詰め込み期間が過ぎて、異国での暮らしにもちょっと慣れてきた様子ですね。

まだ「会いたい」とまでは行かないくらい、忙しい日々だったようです。
うん、まだ会えないよね…。
会ったり、声聞いたりしたら、日本に帰りたくなっちゃうし。
堂本さんは、日本国内の1泊旅行でも申請して…というお仕事だから、海外なんてそう簡単には来ることも出来ないんだし。

拓篤の中にも、恋が少しずつ固まってきてるのかもしれませんねぇ…(//∇//)

そう。変人な水埜さんは、隠すこともしないので。
恋愛感情を持たない分、愛憎的な苦しみは知らないけども、異質であることはそれなりに疎外感は持ってることと。でも、あんまり気にしてない様子です…。

まさか、堂本。花に例えられるなんてこと、今まで経験無かったと思う。
なんせ周りは武骨な男だらけww

有難う御座いました☆
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